働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦5

キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦5 (ファンタジア文庫)

《あらすじ》
ネビュリス王宮までシスベルを護衛することになったイスカ。他勢力より早く妹の身柄を確保すべく捜索に出たアリスリーゼは、そんなイスカと妹が腕を組んで歩く姿を見てしまい…。「これぞ星の運命。わたくしたち、良い主従関係を結べますわ」「イスカは帝国には靡かないわ。わたしが誰より知ってるの」どんな手を使っても唯一の味方としてイスカを手に入れたい妹。使命でも責務でもなく己の意志でイスカと唯一の好敵手であろうとする姉。姉妹の想いが交錯する中、イスカはシスベルを狙う皇庁の怪物と対峙。高潔な意志もなく人であることを捨てた敵―初めて戦う本当の魔女に、剣士は怒りの剣を抜く!

ネビュリス皇庁第2王女・アリスリーゼ、帝国の最高戦力で元使徒聖・イスカの国を隔てたラブコメ尊い。“氷禍の魔女“の異名とのギャップが激しすぎ。イスカと再会の機運が高まるにつれてアリスの脳内お花畑かに拍車がかかるシーンは絶品。近頃は妹のシスベルという身内からの強敵の出現でアリスちゃん大激おこ状態で大変。イスカを護衛として雇ったシスベルが街中でデートに繰り出す光景を目にしてからは、対抗心を燃やしてイスカにガンガン迫る始末。
そんなアリスの感情がいったいどこから来ているのか、本人に自覚はいっさいありません。アリスの従者も彼女の乱心ぶりの原因が突き止められずにいますが、これがイスカに恋するポンコツ化ヒロインだと判明した日にはいったいどうなることやら……。あの従者さん、既にイスカへの殺意が高いから刺殺されるのでは?

ネビュリス皇庁内部の次期王女の座をめぐる陰謀劇も重要な局面を迎える状況に進みつつあり、ネビュリス皇庁と帝国との不穏な繋がりを示唆する演出も散見されることから両国間の相関図が一枚岩にいかないことが決定づけられてきました。果たして今後は、本格的に第3勢力が登場して大きく場面が展開するのか……、アリスとイスカが手を結ぶ未来があるのか……。いや、この二人には公衆の面前で堂々と時間を共有する権利をいつか与えて、どんな日常を送るのか素直に見てみたいですね。そういう意味では、宿敵でも護衛でも監視対象でも所有物でも何でもいいのでアリスに本音を隠す建前を合法的に与えてあげたい。