働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

わたし、二番目の彼女でいいから。3

《あらすじ》
「ねえ、私たちで桐島くんを共有するの、ダメかな……?」

俺は今、橘さんと付き合いながら、早坂さんとも付き合っている。
共有のルール。それは互いに抜け駆けしないこと。「一番目」になれない方が傷つくなら、それは優しい関係とすら言えるだろう。
たとえそれが、歪で、甘美な延命措置に過ぎないとしても。
だけど……。
二番目でよかったはずなのに。
それでも一番目になりたくて。
互いにエスカレートする好意と行為。
その果てに、俺らの関係はやがて軋みを上げ始め……。
もがいて、すがりついて、大事だった何かを摩耗させながら。
どこまでも深みに堕ちていく。


二番目の関係を受け入れてきたはずが、橘も早坂も少しずつ抑えきれない好意が過熱していき、『桐島くんを共有する』なかで行為がエスカレート。
それぞれが、決して一番目の恋人になれない現実を前にある種の“現状維持”を選びながらも、橘も早坂も恋人らしさを求めていく感情をあふれさせる。

真っ当な彼氏&彼女の関係でおさめることのできない泥沼の三角関係をそれでも維持し続け、桐島を共有するうえでのルールを設けて『抜け駆けしない』ことを前提の関係。
二人の女の子と付き合う桐島。普通の恋人のように外を出歩くにはクラスメイトや知り合いと遭遇するリスクもある。両親に彼氏もしくは彼女として紹介するにもリスクがある。
リスクだらけの関係だけれど、それでもこの甘美な延命措置を選び、傷つくことを避けることにかける想いの強さが橘と早坂の愛情表現の端々から感じ取れる作品でした。

桐島、橘、早坂の三人の関係を綺麗に丸くおさめるゴール地点が全く見えてだけに、何をきっかけに歪で脆い関係が崩れ去り関係が収束していくことになるのか。展開がとても気になってしかたがないです。
ちょっと過激でエロさを秘めた恋愛物語に興味がある人には、是非とも読んでほしいおすすめの作品です。



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