《あらすじ》
『選択的ぼっち』を自称する高校生の楠葉廉(くすばれん)はある日、クールな同級生の橘理華(たちばなりか)が強引に迫られている現場に遭遇し、気紛れに彼女を助けてしまう。
理華とはそれきりで、平凡な日常が帰ってくる――はずが、関係は続くことになる。
理華もまた友人が少なく、さらには行きつけのお店が同じで、マンションも隣で――。
行動を共にするうちに心を開き、距離を縮めてくる理華と、彼女からの好意に戸惑う廉。
人との関わり合いを避けてきた二人は不器用ながらも、お互いを意識して、少しずつ惹かれあっていく……。
クールで可愛い同級生と紡ぐ甘々で焦れ焦れな恋愛物語。
友達が少なく、人との関わりを極力避け、1人で過ごす気楽な日常をポリシーにしていた主人公の楠葉廉が、学校でも屈指の美少女である橘理華のピンチを偶然救ったことがきっかけで少しずつ惹かれあう青春物語といった感じでした。
二人が出会うきっかけは何であれ、『助けられたお礼がしたい』ことをきっかけに接点が生まれたことでお互いを認識しあう関係になったはいいものの、ボッチで目立たない男子高校生の主人公が橘さんに話しかけられることで奇異の視線が向けられる。
始めは他人以上友人未満な関係だったけれど、行きつけのお店も趣味も行動パターンもそっくりな二人が行く先々で顔を合わせて親しくなる流れや、不思議な因果で住んでいるところも目と鼻の先だということが発覚して、徐々に友人以上恋人未満の関係に発展していく。
二人が何故、人との関わり合いを避けるに至ったのかは作中で詳細が描かれているので割愛しますけれど、これまでお互いが歩んできた人生経験の果てに根付いた考え方なのですが、縁あって二人で過ごす日々が続くうちに誰かと一緒にいる生活に居心地の良さを覚え支え合う関係性にまで発展していく姿に心が暖まります。
その気持ちがひいては恋愛感情に繋がっていき、二人の数少ない友人たちの後押しもあって、ボッチ生活しかしたことのない二人が不器用ながらも気持ちを打ち明け合い、考えを改め恋人同士になるまでのドラマが最高に素晴らしかったです。
おそらく日本人口約1億2000万人いるなかで一番波長のあっている高校生カップルだと思います。
2巻では付き合いたての二人がどんな交際をするのかがとても楽しみです。