《あらすじ》
俺、波久礼業平には友達がいない―わけでもない。むしろ、夏休みを人研メンバーと過ごし、なんとなく成長した気さえしていた。でも「ドレイン」のせいで、クラスで物理的に孤立している事実は変わらない。せつない。2学期が始まってすぐ、俺と高鷲は売り言葉に買い言葉で「どちらが先に自力で友達を作れるか」勝負をすることになる。まあ、高鷲に負けるわけないし、文化祭イベントがあれば楽勝だろうと思うのだが…あれ、友達ってどうやって作るんだ!?残念系異能力者たちが文化祭を謳歌する(?)青春未満ラブコメ第3弾!
あとがきで4巻の存在に触れているということは続巻を期待してもいいんですか!? 異能力×学園ラブコメで“文化祭”まで時間を経過させたとなると、その後の年間行事を着々と消化して進級までのシリーズ継続も見込める? とにかく、ガガガ文庫で“不戦無敵の影殺師”が完結してからの森田季節作品がここまで息が続くのであれば、この先も安泰といっても過言ではなさそう。
人研メンバーと文化祭を通して活動をしていくなかで、主人公と高鷲「どちらが先に自力で友達を作れるか」勝負……。二人の異能力が絶望的に対人コミュニケーションの枷になっているのは百も承知だけれど、真面目に考えると超絶くだらないww
究極的には人研関連の面子で密なコミュニケーションをとって正真正銘の友達で済ませればいいものを……、と思うのだけれど、妙なところで意識が高いからこんな友達作りをやるんだろうな。こじらせたボッチは面倒くさい。
そんなこんなで、人研関連のコミュニティ外の学友探しに勤しんだ甲斐もあって、学校内で新たな異能力者に邂逅。オンリーワンな異能力が集まる学校なだけに、実用性が皆無に等しい微妙なラインを彷徨うものも登場して、“どうやったらこの絶妙にいらないと思える異能力を思いつくのか”。その発想の源が気になる。
この作品における自分のなかの好きなキャラクターランキングが、愛河≧エリアス>えんじゅになりつつある。物語への絡め方やここまでの諸々の展開に対するポジションを鑑みれば、メインに据えるべきはえんじゅなのかと思うけれど、愛河のヒロイン力の高さはどう見ても圧倒的だし、エリアスの幼馴染みのポジションと3巻で見せたリアクションにダークホース感がある。一方で、えんじゅはというと……、さて、何があっただろうか。思い出せない。