働きたくない村人のラノベ日記

ブログ開設2014年5月30日

天才王子の赤字国家再生術~そうだ、売国しよう~

天才王子の赤字国家再生術~そうだ、売国しよう~ (GA文庫)

《あらすじ》
さすが殿下! これが狙いとは!」「どこまでもついて参ります!」「殿下!」「殿下!」「殿下!」「殿下!」
『(一体どうしてこうなった!?)』
資源も人材も兵力もない弱小国家を背負うことになった若き王子ウェイン。文武に秀で、臣下からの信頼も厚い彼にはひそかな願いがあった。
「国売ってトンズラしてえええ!」
そう、王子の本性は悠々自適の隠居生活を目論む売国奴だったのだ!だが、大国に媚びを売ろうと外交すれば予期せず一方的に利益を手にし
隣国との戦争で程よく勝とうとすれば大勝利。名声は上がるが売国は遠のき、臣民はイケイケ状態で退くに退けない!?
天才王子による予想外だらけの弱小国家運営譚、開幕!

ニニムが従者として側に使えている環境が羨ましすぎて、こんなヒロインに毎朝起こされたい

前おきはさておき、弱小国家の若き天才王子ウェインの華麗なる策略と軍配が綺麗にはまり、敵国の思惑がことごとく見透かされて翻弄される光景が痛快。主だった特産品も人材も財力も兵力も全くなく侵略のうま味のない弱小国家が反旗を翻す最初の踏み台になった敵国が逆に不憫に思えてくる展開の数々。
敵国のトップに君臨する皇帝がそもそも稀代の愚王で内政も崩壊寸前であり、士気も兵力も質は最低。中枢が派閥争いで分裂状態であったこともあることを加えると、さすがに敵YOEEEをし過ぎて完全に無抵抗サンドバック状態で歯ごたえが弱くなってくる。

物語の山場ともいえるウェイン率いるナトラ軍と敵国であるマーデン軍の戦争パートは、両軍の采配の全体像と戦局の流れをじっくり描写してくれるおかげで非常に読みやすかったです。しかしながら、やっぱり敵国の指揮官が無能すぎて『こいつマジか?』と思えるくらいに無能。目の前に餌が落ちていたら視野狭窄になって地雷原を爆走するポンコツぶり。こんなポンコツを起用した上層部は責任追及を免れることは不可能ですね。

結論としては『もう少しハードで歯ごたえのある展開』『小さい有効打を小出しにするよりも大ダメージで一挙に押しつぶす戦争のほうがインパクトと読後感が鮮明になる』ことの二点。読者にとって非常に読みやすくはあるけれど、上を知ってしまうとどうしても物足りなく感じてしまう性分なので、あくまでも個人的な要望です。