沙耶の記憶奪回ミッションから息をつく暇もなく、栄臨学園は生徒会選挙&学園祭へ突入。城主ギルドのマスターとして生徒会長選に出馬せざるを得ない零央だったが、他候補者に比べ知名度&信頼性が圧倒的に不足。会堂の狂気を阻止するため“心の欠片(フラグメンツ)”と“迷子天使(ロストエンジェル)”は総力を挙げ、背水の陣を敷く!その計画は、零央の全校生徒を相手取った勝ち抜き戦&コスプレ喫茶!?リアルとゲームが交錯する、白熱のMMORPG×近未来学園小説第6弾!今は袂を分かつ、瀧と会堂の小学生時代を描いた書き下ろし短編も収録!
栄臨学園で暗躍する生徒会長の思惑とそれを阻止すべく立ち向かうギルド・フラグメンツ&ロストエンジェル。全校生徒を救うための第一歩として生徒会選挙を勝ち取ることを目標に掲げる中、果たして次期生徒会長の座から会堂を叩き落とすことができるのか。
フラグメンツ側が執った策としてはまず、『フラグメンツという圧倒的に知名度が低いギルドをどうやって短期間のうちに全校に知らしめるのか』が大事。その目標のためにうった策が『城主自らが全校生徒とタイマンバトルを仕掛ける。負けた場合は城主の座を明け渡す』といったもの。主人公の零央くんはいつもやること成すことが極端に大規模だし、さらっと有言実行に移すところが読み手を熱くさせてくれる。そもそも、ギルド結成前からソロプレイに勤しんでいて1対1の戦闘に慣れている主人公に対して、PTメインでせいぜいレベルしか上回っているものがない他の生徒を戦わせたら、そりゃー勝つのは零央くんだろうよ。各職業のもつ特色と戦闘スタイルを熟知しているだけあって、持ち前のプレイヤースキルをもって強敵を打ち破る戦闘シーンはいつ読んでも面白い。
ゲーム内におけるレベルとプレイヤースキル、果ては現実世界での知名度でフラグメントが負けているのは明らかな状況の中で、どんな結末が待っているのか最後まで目が離せなかったです。
それともう一つ、これまで鈍感主人公の王道を突き進んできた零央くんが、ここにきてとうとう沙耶との関係に進展があったのがデカい。貴重な沙耶のデレをイラストを通して味わえることができたのも含めて、この二人のラブコメをニヤニヤして読めるのはたまりませんな。