働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

0.2ルクスの魔法の下で

0.2ルクスの魔法の下で (GA文庫)

《あらすじ》
藤倉リザはこの世界でたった一人の“魔法使い"僕は彼女を――不幸にする。
「どうやってその字を読んだの?この世界の文字じゃないのに」ある日高校生の東圭輔は、校内で有名な不良娘、藤倉リザの前でうっかり異世界の文字を読んでしまう。リザは誰もが美少女と認めるが、跳ねっ返りで友達がいない孤高の存在。そして自称“あちら側の世界”の魔法使い…の孫娘。“あちら側の世界”に憧れる彼女は、祖母の遺産を紐解き世界を渡る手伝いをしろと付きまとうが―。「幽霊少女がユニコーンの角を盗んだに違いないわ。あなたも手伝いなさい!」嘘吐き少年と不良少女が織りなす、学園ミステリックファンタジー。

GA文庫大賞“奨励賞”受賞作
作品のジャンル・内容を度外視して、「イラストを担当しているのが竹岡美穂さんだ!」「もう表紙を飾るキャラクターのイラストとその雰囲気だけで期待値をグングン上げてくれる!」「名作の予感を漂わせるオーラがする!」。これが書店で表紙をはじめて見たときの第一印象でした。

『生まれつきどんな言語でも読み解くことができる』そんな特異な能力を持った高校生の東圭輔。彼が藤倉リザのもつ異世界の文字をうっかり読んでしまったことがきっかけで始まる学園ミステリックファンタジーといった内容でした。
魔法使いの孫娘を自称するリザの目的である異世界への扉を明けることを目標に学園生活を送っていくなかで様々な不思議な出来事に出くわす雰囲気が、不思議と心地が良かったです。
そして、これまで全く接点のなかった東圭輔と藤倉リザというふたりの人間が園芸部という共通の空間で過ごしていくなかで、徐々にふたりの距離が縮まって親密な会話が生まれると、その光景とイラストが綺麗にマッチしてよりいっそう楽しむことができますね。
異世界へ行くためのカギを握るユニコーンの角をめぐる幽霊少女との争いと東圭輔と藤倉リザの青春のふたつの要素がテンポよく進んでいくので常に変化を楽しむことができて、個人的に続きが読みたいと思えてくる作品でした。