働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

異世界作家生活 女騎士さんと始めるものかきスローライフ

異世界作家生活 女騎士さんと始めるものかきスローライフ (ダッシュエックス文庫)

《あらすじ》
中堅小説家・長谷部チカラは、異世界から来た女騎士シーナ・マスクリフに頼まれて、異世界で小説教室を開くことに!そんなチカラには野望があった。「作家がほぼいない異世界なら楽勝で最強の作家になれる!」自分も小説を書きつつ、毒舌なドワーフの美少女・ミクニ、神話級のおっぱいを持つ貴族令嬢・ユサ、見た目ロリだけど137歳の魔道士・シヴァなど、個性的な生徒に小説を教えまくる!だが、同期の売れっ子女性作家、堀松ひらまで異世界に来てしまう。女騎士さん、そいつは連れてきちゃダメ!異世界作家のまったりスローライフ、ゆるっと開幕!

日本と異世界の行き来が可能になった世界で、異世界でただひとりのライトノベル作家として小説教室を開いてライトノベルのいろはを語るスローライフ作品。

現役のライトノベル作家が長谷部チカラを通して語る業界ネタにリアリティーにあふれ過ぎていて、ライトノベル業界の闇を垣間見る殺傷力の高いネタが豊富に仕込まれていて刺激的な作品でした。ひとつの業界をクローズアップするとそのジャンルに関連する裏話もいくつか登場してきて、『ライトノベル好きが読むライトノベル業界もの』と考えて読むと、ひとりのライトノベル好きがライトノベル作家が抱えている仕事の事情を覗き見ることができて興味深く読むことができました。

この作品以外にも、いわゆる『ライトノベル作家という職種の目線から書いた作品』は数多く読了してきたかれど、どれも違った視点からライトノベル業界に切り込んでいくスタンスで楽しませてくるので、『異世界作家生活』も例にもれずひとりのライトノベルファンの記憶に爪痕を残す好奇心を刺激してくれる素晴らしい作品でした。