《あらすじ》
帝国から亡命を図るアルデラ教徒に、捕虜収容所から脱走したキオカ海軍が加わることで力を増す敵を見て、シャミーユは安全のために東へと移動する。一方、ジャン率いるキオカ陸軍に東から追撃され、マシュー少佐らは西に向かって撤退していた。やがてシャミーユとマシューたちは合流。しかしそれは、彼らが東西から敵に挟まれることを意味していた。絶体絶命のピンチに陥る、シャミーユ、トルウェイ、マシューたちカトヴァーナ帝国軍。もはやこれまで…と思ったとき、そこに現れたのは―!胸の熱くなる展開に涙する第10巻!
Ⅸ巻から復活の兆しを見せていたイクタが満を持して戦線に完全復帰を果たし、これまでの鬱屈とした状態を全て洗い流すイクタとマシュー、トルウェイ、シャミーユとの掛け合いを目にすることができて、やっといつもの調子のメンバーに戻って本当に良かった! 表紙が全てを物語っていることは言わずもがなだけど、暴君として君臨していたシャミーユがイクタの前ではその仮面を取り払った年相応な態度で接する姿がまたなんとも言えない。それもこれもイクタがヤトリの死後廃人同様に成り下がって植物状態だったことが原因ではあるけれど、イクタを欠いたあと徐々に劣勢に追いやられる帝国軍が長いインターバルを経てようやく優勢に立つための戦略に打って出たときは、「やっとイクタが指揮する帝国軍を楽しむことができる!」この一言に尽きますね。“輝将”ジャン・アルキネクス(笑)さんもコテンパンに戦術的敗北を喫していて痛快でした。
それにしても原作既読で現在放送中のアニメを見ていると、ヤトリの生きている姿とそれを踏まえたイクタ、トルウェイ、マシュー、ハロ、シャミーユの和気あいあいとしたやり取りが感慨深い。