《あらすじ》
神より与えられし不壊の“神剣”とそれを駆る“剣聖”が祖国の威信をかけて戦う戦乱の時代。“絶華十剣”のひとり・ソーロッドを圧倒的な強さでねじ伏せ、従者としたリューインが次に向かったのは、背徳の貴公子ミクローシュに支配されたレハール公国だった。リューインをスカウトしようとするキリリクを加えた一行は、身分を隠してミクローシュの屋敷にもぐり込むことに成功する。ここにリューインが捜し求める神剣の一振りがあるというのだが…。「あなたはソーロッドを傷つけた。それだけでもう死ぬべきだ。あの子を傷つけていいのはぼくだけなのに」最強剣聖が世界を弄ぶ前代未聞の邪道戦記ファンタジー、待望の第二弾!
“絶華十剣”のひとりソーロッドを引き連れて旅を続けるリューインの真意の一端が伏線として小出しにされてきて、ソーロッドの抱える“記憶喪失”が今後のストーリーに期待をもたせてくれる演出も多いので、長い目で『剣魔剣奏剣聖剣舞』という作品を楽しみたくなってくる。
リューインの相手の神経を逆なでにする発言を連発して自分のペースに飲み込んでいくキャラクターや、それに派生して敵にゆさぶりをかけて激情を生み出し戦闘にもつれ込む流れをはじめ、全体を満遍なく通して面白い要素にあふれているので、読後感も抜群。
もしもこの作品が今後も刊行されていくのであれば、綺麗な形でリューインとソーロッドの関係性がどのような結末を迎えることになるのか見届けたく思えてしかたがない。個人的にもおすすめの作品なのでぜひ読んでほしいです。