働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

その10文字を、僕は忘れない

その10文字を、僕は忘れない (ダッシュエックス文庫)

《あらすじ》
宮崎菫は一日に10文字しかしゃべれない。それ以上は声にならないのだ。スケッチブックで会話をする彼女は教室で浮いた存在だった。けれど不器用でも懸命に対話しようとする姿と、誰よりも純粋な心に、俺は惹かれていった。図書館で勉強を教えてくれた時、横顔が気になって勉強どころじゃなかった。プールで見た水着が可愛すぎて、息が止まるかと思った。初めてケンカをして、初めて仲直りのキスをした―。「ありがとう」も、「ごめんなさい」も、「嬉しい」も、「大好き」も。大切なことは10文字でみんな伝えられるって、そう思ってた。でも、菫が背負う過去の痛みも、菫の隣にいることの意味も、俺はわかっていなかったんだ―。

『1日に10文字しかしゃべれない』ヒロインの宮崎菫がしゃべれないながらも感情を表現するためにとるアクションが、巡り巡ってお互いに好意を寄せている少年少女同士の青春模様を引き立つことで宮崎菫の純粋さと可愛さが爆上がりする!

青春恋愛ものは“学校”という空間が日常的にヒロインと時間を共有するシチュエーションが生まれて、下校する時間帯になれば同じ日常サイクルを歩む生徒同士で待ち合わせがスムーズに行くし、ヒロインの宮崎菫と主人公の宮崎蒼の同年代の友人たちがあれこれ茶々入れる光景も年相応の微笑ましさがあって抜群の爽快感でした。

イラストを担当している“はねこと”さんが描くキャラクターの色合いや容姿が全体的に落ち着いた雰囲気もあって、『その10文字を。僕は忘れない』のイメージにもハマっていて個人的にはすごく良かったです。