働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

天牢都市〈セフィロト〉 2

天牢都市〈セフィロト〉 (2) (MF文庫J)

《あらすじ》
“天の梯子”を狙った襲撃事件から一ヶ月。カイルとヴィータは変わらずアイリーンの酒場で賑やかな日々を過ごしていたが、そこにやってきたのは教会に所属する脳筋槍騎士のセレスティナ、そして研究員シャレーナの二人だった。彼女たちが下層に降りてきた理由は、上層セフィラの一つ、ケセドが徐々に下降していて、このままでは下層セフィラのいずれかに衝突する恐れがあると言う。なりゆきでカイルたちも調査に協力することになるが、再び、十の浮遊都市の存亡を賭けた大きな陰謀に呑みこまれていく…。第11回MF文庫Jライトノベル新人賞佳作受賞作、待望の第二巻!

十び浮遊都市“セフィラ”で起きた上層セフィラの下降事件。独特の世界観から作られるストーリー、上層セフィラに住まう高貴な人間の価値観と下層セフィラのアウトローな住人があふれる雑然した雰囲気、浮遊都市ならではの生活様式やトラブルが練りこまれているところがすごく楽しめました。

下層に住むカイルの生活圏で銃弾が飛び交ってるなかで知人のギャングと軽口をたたき合う、そんな危険な世界に嫌々言いながらも付き合うカイルのキャラクターも好みだけれど、浮遊都市全体の命運を握る天使“ヴィータ”を巻き込んだ壮大なスケールで展開されていく強大な敵との戦いが熱くてたまらなかったです。

浮遊都市が浮いているメカニズムや世界の神秘についてまだ謎の部分が多いけれど、『浮遊都市』の抽象的な部分が浮遊していられるための核になるパーツの重大性と墜落したときの危険性が相乗して、より壮大な規模で浮遊都市の命運に直結しているように感じられて最高でした。