働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

リンドウにさよならを

リンドウにさよならを (ファミ通文庫)

《あらすじ》
想いを寄せていた少女、襟仁遙人の代わりに死んでしまったらしい神田幸久。二年後、自由かつ退屈な日々を過ごす地縛霊として目覚めた彼は、クラスでいじめに遭う穂積美咲にだけ存在を気づかれ、友達になることに。一緒に過ごす内に美咲の愛らしさを知った幸久は、イメチェンを勧め彼女を孤独から解放しようと試みる。少しずつ変わり始める美咲の境遇。それはやがて、幸久が学校に留まる真実に結びついていく―。必然の出会いが紡ぐ、学園青春ストーリー。第18回えんため大賞優秀賞

ファミ通文庫が送り出す学園青春ストーリーとしては文句なしの良作だと断言できる。地縛霊として目覚めた主人公と、彼を唯一認識することができるあるクラスのひとりの女子生徒と友達になることではじまる学園での日常が、ちょっぴりミステリアスな要素を含みながらも心温まるストーリーなっていて素晴らしかった。
この物語の中心に存在する『主人公である神田幸久が想いを寄せていた少女、襟仁遥人』に関係する人物たちが出会い、言葉を交わしていくなかで徐々に明らかになっていく神田幸久の死にまつわる真相。その全ての真実が点と点で結ばれた時の得も言われぬ感動とやり場のないやるせなさ。これだけ感情を激しく揺さぶられる物語を圧倒的なクオリティーで突きつけられたら感動を共感するために他人にも勧めたくなる作品でした。