《あらすじ》
「ひとりぼっちな君と私、お互い救われることってあるかな？」高校１年の藤城遠也は入学直後に、揉めごとを起こし停学処分を受けてしまう。停学明けの学校では、極悪不良という噂がたっており、クラスメイトも誰も目すら合わせてくれない。
ひとりぼっちの高校生活をすごす中、旧校舎で美人の先輩・夕凪茜と出会う。
茜と交流を深めるうちに、茜に深刻な悩みを抱えていることを知る。ある日、虚像の自分が現れた日を境に、本当の茜は誰からも認識されなくなったというのだ。唯一自分を信じてくれた先輩を助けたい！ 遠也は茜を救うべく、ひとり奔走していくが――？
共に居場所を失った二人が、「あるべき場所」を取り戻す青春ストーリー。
学級や学年を越えて相談を寄せられている“百相百解の乙女“と噂をされるとある女子生徒の身に起きた悲劇。校舎の裏手にある願いが叶うとされる“少女の祈り像”への願いが形を変え、虚像の夕凪茜の存在が顕現した日を境に本物の夕凪茜が誰からも人s機されなくなった。
夕凪茜の力では抗えない現状を打破するために、唯一彼女を認識できる主人公が解決の糸口を見つけだすために奔走して、本当の夕凪茜という少女を取り戻すボーイミーツガール作品でした。
オカルト×青春ストーリーを取り合わせた作品となっていて、虚像の夕凪茜が実体をもって学校生活に溶け込んでいるごくごくありふれた日常の姿とこの世の理から外れた力によって生み出された現実を突きつける不気味な姿を持つ二面性の演出が凄く良くて、【虚像の夕凪茜】というキャラクターの人物像がよりオカルトチックな作品の世界観を形作っていて素晴らしい作品でした。
そして、少女の祈り像へと願った事実がある種生み出したのが虚像の夕凪茜だという事実。誰からも認識されなくなった本当の夕凪茜を取り戻すためには、自らに向き合って虚像に打ち勝つしかない現実が、主人公との間にドラマを生み出していて特にクライマックスのシーンは最高に良かったです。
個人的にも激推しのラノベなので、ぜひとも読んでもらいたいです。
