働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

ハナシマさん

ハナシマさん (ガガガ文庫)

《あらすじ》
北関東某県にある韻雅町で猟奇殺人事件が起こった。その凄惨な事件は連続的に発生するも、警察は犯人像を掴めずにいた。ほぼ時を同じくして、町の高校に作り物めいた美しさを持つ華志摩玲子という少女が転校してくる。彼女は誰とも話さず、何にも興味を示さず、孤立していく。だが、華志摩玲子が唯一異常なまでに興味を示したことがある。それは町で起こる連続猟奇殺人事件が「手足をほしがる都市伝説」に関係しているという噂だった―。あまりに不気味な彼女の行動が恐怖を呼び覚ます。新感覚のフォークロアミステリー。

第10回小学館ライトノベル大賞ガガガ賞受賞作品
恒例の新人賞買いであらすじも内容もジャンルも把握しないで、「さあ、読むぞ!」と思って蓋を開けたら、自分の圧倒的な読了経験不足な猟奇殺人と都市伝説をベースにした作品だっただけに、精神的な部分が理不尽な殺人描写でゴリゴリに削られてヤバかったです。“都市伝説”的な要素があるだけに、不吉な予兆に遭遇すると「もしかしてこれってガチでヤバいんじゃないか?」「えっ、でももしここでこの人が死んだら、……えっ!?」ストーリーの展開に容赦のない猟奇殺人の前科があるだけに、感情移入したキャラクターでも容赦なくぶっ殺しにいかれたら、もうお手上げです。靴ひもがぶっつり切れるとか、通りを黒猫が横切るとか、猟奇殺人が発生している地域で偶然にもひとりになって誘われるように人気のない道に赴くとか、絶対にやったらあかんよ。
まだ回収されていない伏線がいくつかあって謎めいているキャラクターが何人かいるけれど、それを抜きにしても個人的には新人賞作品らしい個性的な作品で凄く楽しめました。