働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

五人一役でも君が好き

五人一役でも君が好き【電子特典付き】 (MF文庫J)

《あらすじ》
(あ、高校生活、終わった……)
入学早々に肥だめに落ちて死にかけ、絶望していた僕を救ってくれたのは、誰もが憧れる完璧な生徒会長、近衛・R・知佳さん。
当然のように恋に落ちた僕は、彼女の隣に並ぶため、そこから猛烈な努力を始める。
学校底辺の成績から学校トップへ。猛勉強のすえ、なんとか会長の補佐になることができた。
だが、僕はそこで知ってしまう──完璧な会長の姿は、実は特技の違う五つ子が五人一役で演じていた虚像だったのだ!
僕が好きだった彼女は存在しないのだろうか?
そうじゃない。好きな人が、五人に別れただけだ。だったら──
好きな人が五人で一人のフリをしていたけど、気づかないふりをして全員彼女にしようと思う。

学校にいる誰もが憧れる完璧な生徒会長の近衛・R・知佳。
その正体は、運動担当、やさしさ担当、勉強担当、SNS担当、演技担当の五人が一役を演じて完成された人物像だった。

「私たち、五重人格なんです!!」の設定を貫き通そうとしてもなかなかに無理のある設定……、だけどそれがまかり通るのが“ラノベ”なんだと思います。
シチュエーションにあわせて「シュタタッ!!」と担当の近衛さんが登場して完璧な立ち回りをしてくれる。個人的には「4/5は授業も友達との交流もガバガバで高校生活損しそう」とか思いましたけど突っ込むと藪蛇になりそう……。

「近衛さんの正体は……5人姉妹だったのか!!」「自分を肥だめから救ったのは知佳さんだとわかったけど他の姉妹たちも好きだ!! 彼女たちが他の男と付き合うのは嫌だ……、そうだ! ここは気が付かないフリをして全員を彼女にしよう!!」
そこから始まる主人公の新たなムーブもまさに学園ラブコメといった感じの展開だけれど、5人を惚れさせればたとえ何かの拍子に失望されても姉妹たちが惚れた弱みから誰か1人が「じゃあ、大河は私がもらう!!」みたいな流れにもなるから、なかなかに高度な恋愛戦術が炸裂していてすさまじい作品でした。

とっても面白かったので続巻もぜひとも読みたいです。


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