《あらすじ》
自身を犠牲にして五河士道を死の運命から救うため、幾度も世界をやり直す最悪の精霊と呼ばれる少女―時崎狂三。彼女の本当の想いに触れた士道は、精霊たちに真実を告げる。最悪の未来を回避するため、そして世界の運命をひとりで背負う狂三を救うため。しかし時、同じくウェストコットはDEMの総力を結集させ、士道を殺すために動き出す。最強の魔術師エレンとアルテミシア。大量の“バンダースナッチ”に加え疑似精霊の“ニベルコル”という圧倒的戦力差の中。「―さあ、始めようか“ニベルコル”。俺とおまえの、戦争の時間だ」ターゲットの士道は最前線に現れて―!?
新刊が発売されるたびに新たな美少女が出てきて、自分のなかの『デートアライブのなかで好きなキャラクターランキング』が更新されてしまう。見た目だけなら表紙の黒髪美少女が超可愛いけれど、とても残念なことに敵対勢力に属しているという現実。つなこ神のイラストが多彩なキャラクターを描き分けてくれるのが全部悪い。
さて、シリーズもいよいよ佳境に入ってきており、これまで謎めいていた真実が徐々に本編でも明らかになってきている感じで、20巻の大台にもうすぐ届くところまで来ても、中だるみしない面白さに天晴。もっとも、少し頭を働かせれば、村雨令音が怪しいという事実は誰でもわかることだけれど、それが果たしてどんな展開を巻き起こすのかまでは予想はできない。そういった意味では、『デートアライブ』シリーズを長く愛好してきたファンにとって、これまで引っ張ってきた秘蔵のネタを上手く物語に組み込んでくれた、非常に楽しめる展開でした。