《あらすじ》
飛空船の登場により果てなき大空へと乗り出した人々は、やがて空に浮かぶ広大な大地を発見した。噂に導かれ冒険心から空飛ぶ大地へやってきたエムリスとアーキッドは、たどり着くなり争いに巻き込まれてしまう。戦いのさなかに飛空船から落下してしまったアーキッド。彼を助けたのは空飛ぶ大地に住まう有翼の民、ハルピュイアであった。キッドはハルピュイアと行動を共にしながら、空飛ぶ大地に眠る重大な秘密に直面する。源素晶石―飛空船に必要不可欠な物資が大地の下に眠っているということに。鉱脈を狙って続々と上陸を果たす国々。大地を踏み均す幻晶騎士の大部隊。強欲なる商人があり、眠れる北の巨人がある。その裏では黒騎士たちが暗躍し―。そうして混迷を深める空飛ぶ大地に、ついに彼が現れる!
約2年ぶりの新刊という帯の文字に衝撃を受けましたw
エル君とアディが結婚した事実は記憶のかたすみにありましたけど、戦場を縦横無尽に駆け巡る戦いのさなかにエル君がアディを「妻です」と通信越しに紹介する光景が最高にロボットバトルしている感じがありました。
なんだかんだでアディも幼少期からエル君に鍛え上げられてかなりの実力者なので、前線に出る機会もそれなりにあるので戦場での掛け合いに何も違和感がないです。
もっとも、諸外国が歴戦の兵士たちや護衛を務めるものたちで戦力を固めるなかで年端もいかない子どもたちが規格外の幻晶騎士を操縦して戦場を駆け巡ることは、多くの人々に衝撃を与え続けてきて違和感がないといけないですけどw
今回の舞台は飛空船の登場により新たに発見された空飛ぶ大地の存在。飛空船に必要不可欠な資源が空飛ぶ大地に大量に眠っていることが判明し、その資源をめぐって各勢力が争いを繰り広げるなかにエル君も参入してさらなる火種を巻き起こす超展開。
各国も飛空技術を備えた機体を生産してそれぞれで活動をしているなかで、独自で研究・開発・操縦をするエル君の規格外な幻晶騎士が自由に飛び回って派手に戦うバトルシーンは素晴らしかったです。
アニメ版でもあったと思うけれど、きちんとした飛空技術が確立する前から幻晶騎士をパワーで空に飛ばせるだけの機体を開発していました。それがこの空飛ぶ大地での戦いでも容赦なく発揮されていて、ゴリゴリのパワープレイで敵戦力に飛び込んでいき、敵側も本来想定しえない機体を前になすすべもなく木っ端みじんにされる展開が印象深いです。
どこまでいっても、エル君の機体は規格外すぎる。それをひしひしと感じさせられました。