働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

ねえ、もっかい寝よ?

ねえ、もっかい寝よ? (電撃文庫)

《あらすじ》
将来を誓い合うも、親の都合で離ればなれになってしまった幼なじみの大滝忍と森静乃。高校生になってからの再会は、互いの記憶違いから最悪なものとなってしまう。しかも二人はそろって、慣れない新生活で不眠症に。―でも。二人はひょんなことから一緒に添い寝をすると、ぐっすり眠れることに気づく。それからは保健室で、お互いの部屋で。昔とは違う成長した身体に戸惑って、二人だけの「添い寝ルール」を作って…。これは、素直になれない疎遠な幼なじみ二人が、放課後に添い寝するだけ…だった物語。

幼なじみで両片思いの二人が高校生になって再会をはたしたものの、お互いに意識し過ぎて素直になれず、些細なことがきっかけで生じたすれ違いがもどかしくて切ない青春物語でした。
“想いは言葉にしないと伝わらない”。添い寝までしていたら大人になって否が応でも好きな人を目の前にしたら意識せざるを得ない状況で、お互いは相手に嫌われたくない一心で平静を装っていることが、『忍は/静乃はどうして平静でいられるのか……』とすれ違いを生んで、二人の関係と距離感をややこしくしてる。お互いに大好き過ぎて逆に見ているほうが恥ずかしくなってくる。

そんなこんなで、両片思いが続く二人の関係は、慣れない新生活をきっかけに何故か不眠症となり、ほぼ一睡もできない状況が続くなかでの唯一の解決策が『幼なじみとの添い寝』。添い寝をしている間だけは夜もぐっすり眠れるので、公平にお互いの自宅を行き来して過ごす日々が続きます。率直に言って半同棲ですね。控えめに言ってリア充爆発してほしいくらいに仲が良いです。
ただし、高校生になっておしゃれでファッションにも気を付けて可愛くなった森静乃と、将来は牧場をやるために身体を鍛えて逞しくなった大滝忍とでは性格も価値観もまるで異なるせいもあって、お互いの家に生活雑貨を持ち込むにあたっての買い出しで盛大にバトルを繰り広げるところがあって面白かったです。要約するとこれも仲睦まじくてリア充爆発しろ案件でしたけれど、幸せならOKです。

10月の新作のなかでもイチオシの作品でしたので、興味のある人は是非読んでみてください。

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