《あらすじ》
すべての収録短編が暁なつめ先生による、豪華書き下ろし！ めぐみんが悪魔に？ ウィズとバニルが大喧嘩！？ カズマが過去をやり直す！！？ 10周年にふさわしい作品群が目白押しのよりみち３回目！
全編書き下ろしの短編集。
このすばの世界とこれまで幾度となく登場したキャラクターたちが巻き起こすハチャメチャな展開を『短編』という形式で描くことで、物語としての収拾を無視したフルスロットルな結末となっていて短編だからこそ許されるコメディが楽しめる1冊でした。
個人的にお気に入りの話が２つあって、１つはカズマが記憶を引き継いだままアクアと初対面したときの過去をやり直した世界線の日常、もう１つはバニル VS ウィズの対決でしたね。
カズマがどんな選択を辿ろうとも生来のカズマとアクアの性格が最終的に引き合わせて同じ顛末を辿って、再び異世界で導かれるようにめぐみんとダクネスが集まっていつも通りの流れに惹かれていくのはもう尊いです。
バニル VS ウィズの構図に至った経緯はともかく、なんやかんや冒険者時代の人間だった頃のウィズとバニルの戦いの構図も過去にあっただけに、お互いに強くなった二人が再び戦う流れにもつれ込む展開は熱かったです。
自分がこの作品を読み始めたのは書店で既刊が平積みされていた時期だったことは今でも覚えていますけど、それから新刊を追うようになりアニメが放送され、原作が完結して、１０周年にこの短編集が刊行されている現在に至ったことが感慨深いです。
