主人公に好意を持つ幼馴染みの二人、後輩、許嫁による八方塞がりの修羅場の勃発。
トンビに油揚げをさらわれた幼馴染みや後輩にとって許嫁のポジションは目の上のタンコブ状態ですけれど、『昔から付き合いのある幼馴染み/後輩しか知らない主人公との思い出』が恋愛の駆け引きにおいてボディーブローのようにダメージを受けるヒロインというのは良いものです。
浩之と桐生さんが出会った頃は許嫁の関係がしっくりこなくてギクシャクしていた部分があったけれど、いつからか少しずつ将来を視野に入れてお互いに距離が縮まっている様子が見えてきていて、何よりも想い人に甘えてきたりスキンシップを求めてくるまでに感情を表に出すまでの関係に至っている事実が感慨深いです。
『許嫁』における、主人公とヒロインの関係が形から入って、後に感情が追い付いていく恋愛の形というのも、日常生活のいろんな所から二人の間で取り交わされるコミュニケーションの姿の変化から感情の機微を感じ取れますし、『許嫁』という事実が二人の未来への担保にも繋がっていて一般的な恋愛ではたどることのできないシチュエーションを楽しむことができるので、ラブコメと相性がいいことを改めて感じさせられました。
順風満帆に感じていた許嫁との同居生活に陰りが生じた本家からの刺客・明美の立ち回りで二人の関係がどうなるのか。続きが楽しみです。