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働きたくない村人のラノベ日記

ブログ開設2014年5月30日

七日の喰い神

七日の喰い神 (ガガガ文庫 か 8-7)

《あらすじ》
夏の猛暑のさなか、行方不明となっていた少年が凍った死体となって発見された。警察は事件の異常性から“マガツガミ”によるものと判断した……。古来よりこの国には人間に害を為す禍々しい神々“マガツガミ”が存在する。そして、それらマガツガミを討伐する特殊な力を持った者たちを“祈祷士”と呼んだ。天才的な資質を持ちながら祈祷士としての道を捨てた男・古川七日と、可愛らしくも残酷な“喰い神”の少女ラティメリア。人間とマガツガミという許されざる異種間のコンビが、禍々しい神々を葬っていくダークファンタジー。


禍々しい神々が人間の暮らす世界と災厄のように発生し、マガツガミが行動を起こすたびに人々の死体がごろごろ転がる残虐な展開に突入することもしばしば。その殺戮劇は人智を越えた神々なだけに、葬られる奇怪な姿かたちをした不気味なマガツガミのイラストが恐ろしさの一端を醸し出している感じでした。ダークファンタジーではあるけれど、マガツガミが一般人をなぶり殺しにするシーンは既にホラーの領域ですね。
閑静な住宅街がマガツガミの登場で一変して死体を量産する流れに入りかけたときは恐怖。

しかしながら元祈祷士の古川七日と行動を共にするマガツガミのラティメリアに関しては例外で、この作品における唯一の癒し的存在。本質的に、『人間を食べる』部分がありながらも、マガツガミが存在する核とも言えるモノを盾にすることで、人間とマガツガミの共存関係がなりたっているようです。

ひとたび七日が隙を見せれば殺し合いに発展しかねない関係でありながら、ラティメリアが送る平和な日常のなかのひとときを眺めていると、愛くるしい容姿とちょっと天然でおバカなところに愛着がわいて癒されますね。
総じてみるとラティメリアの存在が、このバークファンタジーの世界の中の唯一の愛玩動物的として癒しを与えてくれるので、鬱々とする展開の緩衝剤として働いてくれている気がしました。