働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

カネは敗者のまわりもの2

カネは敗者のまわりもの2 (ファンタジア文庫)

《あらすじ》
「…カネも命も、使わなければただのゴミだ」この世のすべてを買うことができる悪魔のカネ“魔石通貨”を巡る戦いで、一人の少女を助けるため、破産し地獄へと堕ちた失井敗斗。そこで出会った少女、クロエにメリアと同じ想いを抱いた敗斗は彼女を地獄から救い出すため動き出す。彼の勝利を決して許さない“敗者の呪い”が望んだ延長戦。何の後ろ盾もなく、無一文から一億リルを稼ぐため、敗斗は地獄の住人すべてを敵にまわし再び魔王となる!

破産者した住人でひしめき合う地獄からの脱出を果たすため、“地獄のルール”を掻い潜りカネを稼ぎ脱出に挑む!
失井敗斗が堕ちる前の世界を“現世”と称すると、“地獄”の世界は“現世”と異なる倫理とルールが働いているため、どれだけ主人公が成し遂げることが途方もないことかが客観的にはっきりとイメージさせられました。--期限もねえ、お金もねえ、あるのはタイムリミットと刺客だけ--

命さえもカネで買える。文字通り、全てはカネ次第の世界。絶対順守のルールのもとで結ばれる契約と今回の一連の騒動を握る『傷害保険』と『会社』のキーワード。どちらも“地獄”の世界で巨額の金が動かすために主人公が仕掛けた布石ではあり、絶対順守のルールの上で作用する社会制度がほどよく絶望感を漂わせていて、とても素晴らしいファンタジー作品で読み応えがありました。

Hカップヒロインのクロエさんにシャワールームに連れ込まれ据え膳を食わなかった主人公は読者サービスを不意にした罪があるので、もう地獄に落ちればいいと思います。