働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

千歳くんはラムネ瓶のなか

千歳くんはラムネ瓶のなか (ガガガ文庫)千歳くんはラムネ瓶のなか

《あらすじ》
「五組の千歳朔はヤリチン糞野郎」―学校裏サイトで叩かれながらも、藤志高校のトップカーストに君臨するリア充・千歳朔。彼のまわりには、外見も中身も優れた友人たちがいつも集まっている。圧倒的姫オーラの正妻ポジション・柊夕湖、努力型の後天的リア充・内田優空、バスケ部エースの元気娘・青海陽…。仲間たちと楽しく新クラスをスタートさせたのも束の間、朔はとある引きこもり生徒の更生を頼まれる。これは、彼のリア充ハーレム物語か、それとも―?新時代を告げる“リア充側”青春ラブコメ、ここに堂々開幕!!第13回小学館ライトノベル大賞優秀賞受賞。

スクールカーストトップに君臨する主人公の目線の青春ラブコメにもなると、リア充独特の学校生活での弊害や問題点が数多く浮き彫りになっていて、創作物ではあるけれど自分とは違う世界に位置する人たちの半生を追体験できる臨場感があって素晴らしかったです。

リア充陽キャと言えばクラス内のトップに君臨し、文武において高いスペックを有していたり容姿が整っていたりクラス内で高い発言力を持っていたり。多角的ではあるけれど雰囲気でリア充もしくは陽キャという風にカテゴライズができるくらい、学校という狭いコミュニティーには様々な人間が詰め込まれています。悪い言い方をすれば『レッテル貼り』『ステレオタイプ』のように、先入観や外聞から人間性を決めつけられる部分もあると思います。
主人公の属する陽キャコミュニティーをはじめ、同じクラス内の陽キャ陰キャリア充・非リア充の自分とは違う人間たちとの会話を繰り広げる場面も様々あり、学校という閉鎖的なコミュニティーが生み出す人間関係の縮図が構築されていてとても面白かったです。
強いて言えば、主人公と親しいグループに位置するキャラクターたちが、弱冠10代にして人間関係を構築するなかでの他人との線引きが定まっていて、ある意味で人生を達観している部分が怖かったです。

これまでにない“リア充側”の青春ラブコメで描かれるガガガ文庫注目の作品です。評判通り面白い作品なので興味のある人は是非読んでみてください。


千歳くんはラムネ瓶のなか (ガガガ文庫)

千歳くんはラムネ瓶のなか (ガガガ文庫)