働きたくない村人のラノベ日記

ブログ開設2014年5月30日

すべては装丁内

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《あらすじ》
「何なの、あのドSデザイナー!」
学央館書房の新人編集者・甲府可能子は憤っていた。
編集長から紹介を受けた装丁デザイナー、烏口曲に企画していた詩集の装丁を即刻で「やらない」と断られたからだ。
曰く、可能子の装丁に対する考えの甘さが原因らしいが……実はこの烏口、理路整然に上から目線で仕事を選ぶ、業界内でも有名なドS&偏屈男だった!
果たして可能子は無事装丁の依頼を引き受けてもらい、本を刊行できるのか?
装丁の奥深い世界、そして今を働くすべての人に勇気をお届けする、お仕事エンターテイメント!

作家目線、編集者目線で出版業界を奥深く掘り下げた作品はいくつか目にしてきたけれど、装丁デザイナーの仕事の内容を中心にした作品ははじめてかもしれない。
1冊の本を刊行させるのに携わる職種のなかにある装丁デザイナーは、表紙に載せる本のタイトルや著者などの文字の配置やデザインを担当しているのかなくらいの曖昧な認識ではありましたが、この作品を通じて「えっ、そんなところまでデザイナーに考えがあったんだ!」といった本が作られる現場の実態がとても丁寧に描かれていて刺激を受けました。
自分も本を買うとき、表紙を飾るイラストレーターの綺麗で魅力的なキャラクターのイラストに注目するのはもちろんのこと、全体的なデザインが何となく作品の雰囲気にあっていたり、インターネットで出版社ごとの作品紹介を眺めるとき何となく目が留まることがしばしばありましたが、もしかしたらデザイナーやイラストレーターが手掛けたことによって生じた現象かもしれない。業界内でも有名なデザイナーのキャラクターは架空の人物ではあるけれど、書き手のデザイナーとしての仕事のスタンスは生々しい現場の雰囲気が読み手の興味をひく素晴らしいお仕事エンターテイメントでした。