《あらすじ》
「せんせ、あたしとVチューバーやろ?返事はYESだけ♪」イラストレーターを目指す乃ノ香の好敵手になるかと思いきや、海老名水織は謎の行動に出る。バ美肉ってなんだ―と首をかしげる悠斗だった。一方、倉山錦は会社が倒産!?白砂は連絡途絶なマリィの自宅を訪ね、そこである重大事に気付き!?さらに、ナスに忍び寄る新たな影が…悠斗は今度こそ、彼女の恋人を演じきれるのか!?超過密日程なのに意外と遊んでて大丈夫なのか!?希望と現実、そして欲望に振り回される、イラストレーターのガチな日常を大公開な、第7弾!
つい先日、ゲーム部プロジェクトのブラックな体質が拡散され大炎上して一時期動画投稿が休止したこともありましたので、今回のエピソードはリアルで目の当たりにした出来事を小説形式で追体験するような生々しさが感じられました。
イラストレーターはVtuberのもとになるキャラクターを描き上げ、そのイラストを動かす技術スタッフや動画を編集するスタッフ、Vtuberを演じる中の人がいたり、Vtuberを動かすのには多くのスタッフの労力とお金が動いています。それだけに関係者たちの間で文書による契約書で違約金が発生したり、パワハラセクハラが行われていたり、バーチャルの世界の夢を壊して汚い大人の現実に叩き落すような事案は心に刺さります。好きなVtuberの動画は定期的に追っている身にはとても目をくぎ付けにさせる展開で読みごたえがありました。
さて、イラストレーターを目指す乃ノ香の好敵手として海老名水織が矢面に立ちイラストバトルを繰り広げたり、会社の倒産をきっかけに心機一転して新人賞受賞作品のラノベの仕事を引き受ける錦が動き始めるなど、イラストレーターの同業者たちが色々な行動を起こし始めるというわりと忙しい内容でもありました。後々に時間軸を揃えて進捗具合が報告されると思いますが、それぞれがイラストレーターとしての仕事に新たな一面を見出そうと挑戦している部分も見受けられて、今後の人生がどのように変わるのかが楽しみな内容でもありました。
ナスキュウさんも初めてのラノベのイラストの依頼を受けて独特なイラスト制作に手ごたえを感じたような語りをしていましたし、成果物として作品が世に出たときの市場の反応やイラストレーター目線での感想なども興味があります。
乃ノ香と海老名水織のイラストバトルは無事にひとつの決着を迎えていましたが、両者の間で何かイラストレーターとして得るものもあったようで、今後の活躍が楽しみです。
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