《あらすじ》
ラクエルの身に宿った賢竜王インボルクは、ついに星間移民船“ゾノ=トーン”を発進させた。船内に決死の突入を行うアッシュ達一行だったが、マキャベリ、キーラ、ウルスラと、宿命の相手が次々に立ちはだかる。一方、大陸の中央部では、ゼファロス共和国軍がシェブロン王国へと侵攻。第二次ゼノグラヴィア戦争が勃発してしまう。人類滅亡へのカウントダウンが始まる中、しかし戦場にはオスカーやルクレツィアをはじめ、アッシュの仲間達が集結していた!美少女ドラゴンが歴史を刻む本格ファンタジー、ついに完結!
とうとうこの長期シリーズも完結のときを迎えることになって、うれしいやら悲しいやら。アヴァロン聖竜皇騎士団の主要メンバーのほとんどがアンサリヴァン騎竜学院の生徒だという事実も、気が付けばアッシュが学院の問題児から一国の行く末を担う大物に成長していたり、同級生のレイモン、マックス、ジェシカのドラゴンが揃って聖竜に進化することになるなんて、シリーズ刊行当初とはえらい変わりようですね。初期の頃は聖竜といえばシルヴィアのランスロット、レベッカのクーフリン、ルッカのガウェイン、オスカーの(名前を忘れた!)ドラゴンぐらいだったのに。それもこれも、アヴァロン聖竜皇騎士団の創設から数々の修羅場を潜り抜けるにあたって、これまでよりも強くなるためにかせた特訓があってこそなんだけれど、そんな状況に首を突っ込まざるを得なかったのが、アッシュとエーコの存在がきっかけだと思うと、作品のなかでいろんなキャラクターが成長しているな……と感慨にふけったりしますね。
なにはともあれ、完結お疲れ様でした。ここまできてアッシュの恋愛方面はエーコとシルヴィアのどちらも選ぶことなく優柔不断のまま終わってしまったこと、アッシュと父親の壮大な親子喧嘩が見たかったことを除けば、最終巻らしいストーリーで楽しかったです。アヴァロン聖竜皇メンバー総出で突撃した敵の居城で、仲間たちがアッシュを最深部にたどり着かせるべく敵の幹部を食い止めるシーンはまさに最終決戦という感じがしてよかったです。