働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

折れた聖剣と帝冠の剣姫 1

折れた聖剣と帝冠の剣姫(1) (一迅社文庫)

《あらすじ》
知略の英雄、カーヴェル王国のルシード王子。勇猛な聖剣の姫、パルミア王国のファルシェーラ王女。大陸に名を知られる二人が率いた軍は、リスティオンの野で激突し、かつての幼なじみである二人は死闘を繰り広げていた。ファルシェーラの軍勢は着々とカーヴェル軍の陣容を切り崩し、ルシードが首級を上げるべく剣姫ファルシェーラが突入、ついに互いを強敵と認めていた二人は戦場であいまみえる。時を同じくして二人の英雄不在のときを狙ったかのように両国で政変が発生。二人は帰るべき祖国を失う。かくして同じ立場となった王子と王女の二人は居場所を求め世界を旅することになるのだが、その最初の行く手にはかつての勇者が封印した巨大な竜が待ち受けていた。ルシードとファルシェーラ、二人の前に最初の試練が訪れる。

ルシード王子とファルシューラ王女の二人が幼い頃の平和なひととき。無邪気に交友を深めていた二人の光景が目に焼き付いているだけに、彼らが国を背負う立場になったときの、感情を押し殺して幼なじみと戦場で再開する姿が痛ましい。
この二人には、戦場で相手の軍勢を打ち滅ぼさなければいけない義務感が立場的に存在するために、感情論として二人には剣を交えてほしくない……そういった思いに駆られるために、戦場での両軍の動向に目が離せかったです。

あらすじにも記載されているように、その後は両国で政変が発生するために二人は帰るべき祖国を失い世界を旅することになります。
ここからの展開は、『これは壮大な長編ファンタジー作品になる! 国を追われた二人の野望の行きつく先まで物語を追い続けたい!』この一心です。
祖国を追われた二人は何を目標に行動を開始するのか。その分岐点で選んだ道が目の前の祖国を取り戻すために動き出すのか、はたまた別な道を歩むのか。いつ叶うともしれない壮大な野望をかかげた二人の前には大きな壁が立ちはだかることは火を見るより明らかだけれど、『1巻を読んだからには完結まで追い続けたい!』そう思える作品でした。