《あらすじ》
すれ違いを経て、あらためてお互いの気持ちを確かめ合った僕こと弓月恭嗣と佐伯さん。いつもの生活が戻り、水の森高校では文化祭が催される季節に。そんなある日の昼休み、桑島先輩が僕を訪ねてくる。先日のことを気にする彼は、埋め合わせに、佐伯さんとふたりで近くの大学の学園祭に行ってきてはどうかと提案してきて―。常に冷静な弓月くんと、とびきりの美少女なのにちょっとHな佐伯さんが繰り広げる同棲&学園ラブ・コメディ、第四幕。
ファミ通文庫のレーベルカラーにぴったりでなおかつ看板作品と言っても過言ではない同棲学園ラブコメ作品!!
月日を重ねるごとにドンドン弓月と佐伯の関係性が深まるなかで、佐伯(父)との約束を果たすために『高校生らしい健全な交際』に留めてはいるけれど、それも時間の問題(年齢的かつ精神的なニュアンスで)
日に日に家庭内における佐伯のアプローチが過激の一途をたどるなかで、理性にブレーキをかける弓月の心境が徐々に決壊寸前に押し込まれていて、清く正しい交際が身内からの援護射撃で崩れ去りそうになるところに笑いを禁じ得ない。
そんな弓月の煩悩が発露される先が、とうとうキスまで済ませたことによってタガが外れたように佐伯を求めたあのシーンに繋がることになるとは……。最後の一線(何をもって最後を意味するのかはあえてふれないけれど)を敷いているのだけれど、ちょっとHどころか激しくHです。
そしてまだまだ続く弓月と佐伯のご自宅訪問。同級生と放課後に遊ぶだけのイベントが、なぜか二人にとって地雷源が至る所に潜む死線に足を踏み入れる決死の覚悟で挑んでいて最高でした。
当人たちも『友人たちの誘いを断り続けるのは不振』だからとしかたがなく招き入れ、佐伯宅に置かれている弓月の私物があることへの説明に台本なしのアドリブでの対応を迫られていて、怒涛のハプニング展開で面白かったです。
今回もイラストを担当されているフライさんの挿絵は素晴らしかったです。ラストにかけてのモノクロの2枚は山場のシーンなだけに特に見ごたえがありました。
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