働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

女神の勇者を倒すゲスな方法 4 「お気の毒ですが変人は増えてしまいました」

女神の勇者を倒すゲスな方法 4 「お気の毒ですが変人は増えてしまいました」 (ファミ通文庫)

《あらすじ》
あらゆる手を尽くし、女神教との一時停戦をもぎとった真一たち。次は“不死身の勇者”を生み出す女神そのものを倒すため各地を旅していた彼らは、かつて女神が直々に破壊するよう命じたと言う“エルフの墓所”の存在を知る。しかしエルフは人間を忌み嫌い、不死身の勇者たちですら一蹴するほどの魔力の持ち主。なるべく友好的に接しようとした真一たちだったが、暴言を吐きまくるエルフに、ついにはセレスがブチギレ――!! 勇者も敵わないエルフ攻略方法はあるのか!? 魔王の参謀となった少年の異世界攻略譚、第4弾!

紙書籍&電子書籍の売り上げも好調であり、女神教が生みだす勇者の核心に迫る重大な局面を迎えた『女神の勇者シリーズ第4弾』が贅沢にも次巻を跨いだ構成という大盤振る舞いな点に、ひとりのファンとしてまだこの作品を楽しむことができること、そしてデビュー作が軌道に乗ってここまでこれたことがとても感慨深いです。
各レーベルが毎年開催する新人賞の受賞作はなるべく目を通しているけれど、その年にデビューしたなかでも特にイチ押しの作家として注目していたので本当に嬉しいです。

“”エルフの墓所に隠された秘密を探るために旅をしていた真一たちを前に立ちはだかるエルフの存在。人間を忌避しエルフの里を守るために“女神の勇者をも圧倒するエルフの少女たち”を前にどうやって攻略の糸口を見つけるのかと思ったけど……、やっぱりゲスな魔王の参謀なだけにえげつなかった。
エルフの少女たち(実年齢と外見年齢がかけ離れているかどうかはさておき)の未熟さゆえに権謀術数に長けた真一の手の平でコロコロ転がされる光景がコミカルに映りすぎて、エルフの少女たちの愛らしさがかえって際立ってくる。特にいじりがいの妄想ワナビ小説家志望のエルフの黒歴史ノートを音読させられてもがき苦しむ姿がぐうの音も出ないほど可愛い。
新キャラクターも交えつつ、魔王軍サイドのアリアン、セレス(個人的に一番好きなヒロイン)、リノの三人と何気なく繰り広げる修羅場ラブコメもちょくちょくねじ込んできて、終始ほんわかしたムードで物語が進んでいくところに癒される。
遠坂あさぎさんのイラストはキャラクターの表情や外見的特徴などが丁寧に描かれていてとても見栄えが素晴らしいのもあるけど、モノクロイラストもカラーに見劣りすることなく綺麗に仕上がっているのが個人的に凄く好みです。個人的にもお気に入りのイラストレーターのひとりです。