《あらすじ》
ボーンソニア王国の王位継承争いに決着をつけたヒカルは、王都の衛星都市ボーンドに戻っていた。騒動の最中に、ヒカルが「シルバーフェイス」であると気づいたギルドマスターのウンケンは、ある意味命の恩人のヒカルのために、修業と称して持てる技術の全てを教え、恩返しとした。そしてその修業の「卒業試験」としてヒカルに課せられたのは、ダンジョンにて実践を積むことだった。一方、ジルアーテもまた、アインビスト連合の盟主ゲルハルトからとある「試験」を伝えられる。それは聖ビオス教導国にあるダンジョン『魔錠の迷宮』に存在する水の精霊魔法石を取ってくるというもの。成功すれば水が貴重なアインビストでは大きな利益となり、ジルアーテの実力を知らしめることができる。偶然か運命か、ヒカルとジルアーテは再び同じダンジョンに集うことになり―。
かつて、ジルアーテのもとから何も告げず突如として消えたシルバーフェイスと遠い異国の地で再会するという運命のめぐり合わせ。
ジルアーテの人生を変えてくれた存在とまた言葉を交わせる機会も得られたことだけでも感無量の気持ちですが、行動を共にするなかでヒカルの正体についても勘付き始め、彼女のなかに生まれた感情を自覚したときの展開がドラマチックでたまらなかったです。
ヒカルが異世界に転生した際の命題でもある『世界を渡る術』に進展が見られたことから、異世界↔日本の繋がった先の展開が連想されたり他にもギルドマスターのウンケンにヒカルの正体が露呈したけどその事実は伏せられたままだったり、いろいろなことが起きました。でもやっぱり、ヒカルとジルアーテが再会を果たして思いの丈を打ち明けるワンシーンが何よりも印象的でした。
web小説の書籍化作品ですが経験則で見てもストーリーのメリハリが効いていて読後感も良かったです。
ヒーロー文庫作品のなかでもかなりお気に入りの作品なので是非とも完結巻まで走破してほしいです。
察知されない最強職(ルール・ブレイカー) 5 (ヒーロー文庫)
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