《あらすじ》
最強の吸血鬼王が、現代日本の知識を得て凱旋!
日光が苦手な少年・来栖 涼は、ある日突然異世界へ転生した…… と思いきや、そここそが彼の元いた世界だった!
「吸血鬼王アンファング」として五千年の眠りから目覚めると、なんとその世界では人類が滅亡の危機に⁉ 人間と吸血鬼の共存を目指す彼が圧倒的な力と知識チートで状況の打破に乗り出すと、吸血鬼王を捜しているというヴァンパイアハンターの少女・リーナと運命的な出会いを果たし――
『もう、ひと吸い、どうですか?』
人間と吸血鬼、相容れぬはずの2人の邂逅が世界を変える!
五千年の眠りから目覚めた世界はかつて吸血鬼王が統治していた時代からはかけ離れ、貴族や眷属たちの乱獲により人類が滅亡の危機に瀕する状況。
吸血鬼王の統治下では必要以上に狩られることのなかった人類はかつて栄えていた都市も荒廃している始末。
そんな世界に再び舞い戻ってきた主人公が現代日本の知識×吸血鬼王の底知れぬ力を駆使して、人類と吸血鬼の再建をはかる壮大な異世界転生ファンタジー作品となっていました。
“吸血鬼”や“異世界転生”や“現代知識チート”のジャンルの取り合わせは定番ではあったけれど、吸血鬼王の身に転生した元17歳の男子高校生のシチュエーションから来る年相応の反応を見せる吸血鬼王というキャラクターを生み出していて、ヴァンパイアハンターの少女・リーナとの距離感やその他の生き残った人間たちとの自然なやり取りが良い意味で“吸血鬼王”という堅苦しさを緩和してくれてる感じでした。
そして、人類を滅亡の危機に陥れた吸血鬼たちの存在。やっぱり、圧倒的な力を有する吸血鬼王の存在感は絶大で一捻りでした。人類と吸血鬼の世界を変える前に立ちはだかる障害は吸血鬼王の覇道の前に薙ぎ払われる。さすが吸血鬼王。
中・長期シリーズ化したときの物語の行く末が気になってくる、そんな作品でした。
