働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

放課後の聖女さんが尊いだけじゃないことを俺は知っている4

《あらすじ》
平凡な少年・大和と、どこか浮世離れした美少女・聖良。
真夜中の出会いから始まった二人の関係は、夏休みの最終日に聖良が告げた言葉をきっかけに、大きく動き始める。
十月の文化祭を経て、大和は自分の気持ちを打ち明ける決意をする。友人たちの協力もあり、打ち上げ場所の遊園地で想いを告げる……はずだったのだが、
「――私、転校するんだ」
唐突に聖良から告げられた別れの言葉。聖良の言葉の真意とは。二人の関係に答えを出すために、大和が選んだ行動は――。
どこまでも自然体な聖女さんと過ごす青春と恋の物語、完結。

大和にとって、放課後に過ごす聖良とのかけがえのない日常。
聖良にとって、放課後に過ごす大和とのかけがえのない日常。

真夜中の偶然の出会いから始まった二人の関係がとうとう大きく動くことになる。なんとも最終巻らしい青春ドラマが繰り広げられていて感無量です。
これまで深入りを避けてきた聖良の家庭事情が容赦なく大和との関係へと立ちはだかり、聖良の父親の登場でさらに緊迫感を増した展開へと突入することになっていました。
どれだけ大和と聖良の間を取り繕っても所詮は子ども同士のやり取り。そこに保護者である親の介入は二人の感情も思い出も関係なく、親の庇護下にある子どもたちはそれに従わざるを得ない。そんな儚さの上で積み上げられてきた大和と聖良の感情に答えを出すために二人が下した決断と思いの丈が、それぞれの言葉として告げられていて、最後の最後までどのような将来を選ぶのか目が離せなくなる展開でした。
自分としてはとても満足のいく結末で良かったと思います。