《あらすじ》
ハロウィンの魔力に惑わされるように恋人同士の温もりを求めた悠太と沙季。
表向きは今までと同じ距離感を保ちながらも、その関係の在り方には確かな変化があった。
互いの誕生日、サプライズとすり合わせ、クリスマス、初めての年越しと、里帰り。
プレゼントや記念日の過ごし方、相手の喜ばせ方に悩みつつ、不器用な二人なりに幸せな道を模索していく。
そして、両親や親戚の姿から大人になることや家族の繋がり、恋愛関係のその先……結婚や子どもについても考えさせられ……?
これは、兄妹になった二人が過ごす初めての冬の物語。
親の再婚で義理の家族になった悠太と沙季。
かつては“ただの兄妹でいよう“と言葉を交わした二人の関係がいつしか、誕生日、クリスマス、年越しなどの季節の節目を愛しむ仲へと変化していく。
学校の中での表向きの姿、二人のなかで育まれていく想い。
“義理の家族”をコンセプトに親の庇護下にいる高校生男女の目線で、同じ家で暮らす義理の兄妹の恋愛感情や倫理観についての繊細な部分についてとても深く切り込んでいて素晴らしい作品でした。
TVアニメ化も決定したこの作品は長い間、読まずに積んでいましたけど、一度読み始めたら火が付いたように全巻読み切ってしまいました。
昨今の『許嫁』や『婚約者』やそれこそ『義妹』系の甘々なやり取りと感情のままに激しく関係を進展させていく恋愛作品も良いですけど、この『義妹生活』のなかで描かれるような、義理の兄妹という距離感で抱く恋愛感情についてじっくりと考えて関係を進展させていく作品にもまた良さがある。あらためてそのことを実感させられる素晴らしい恋愛作品でした。