《あらすじ》
「参加者に紛れている悪魔を殺すまで、このゲームは終わらない」
アインホルン伯爵家の令嬢ヘルミーナは、幼馴染の侍女のシャルロッテと共に、北方の古城の中で『邪神召喚の儀式』という殺し合いのゲームに巻き込まれてしまう。
城にいる八名の人間の内、二人が“悪魔”となって一晩に一人誰かを殺害する。悪魔でない人間は疑わしい人間を一日一回投票で処刑し、悪魔を全滅させるまで城からは出られない。死が迫るゲームの中で、ヘルミーナはシャルロッテを守るために一心不乱に生き延びようとするが……!?推理と死の輪廻が紡ぐ衝撃必至の人狼系デスゲームファンタジー、ここに開幕！
『邪神召喚の儀式』により脱出不可能のデスゲームへの参加を強制された８人。あるときは人間側として、そしてまたあるときは悪魔側のプレイヤーとして立ちまわる令嬢ヘルミーナ。
幼馴染みの侍女と共にゲームを抜け出すため自分の身に起きた死のたびに起きるデスループを駆使して、精神をすり減らしながらも最適解を導き出すためゲームの真相を暴き出す。
『邪神召喚の儀式』のルールによって日常をシステマチックなデスゲームと化し、ルールを逸脱した行動をとれば強制力が働き排除されるためルールに則る
ことを順守されるファンタジー世界。
人狼ゲームの前提知識があれば世界観のイメージがスッと入ってきて、ゲームの世界を感情のある人間に置き換えたデスゲームの世界観を味わうことができ、意思と感情を持った人間たちがお互いに疑心暗鬼に駆られながらも、たとえ意に沿わないゲームに参加させられているとしても強制されて苦渋の決断で殺しあう。ゲーム性の高いシステマチックな世界で参加者の８人が議論を重ねながら、狂気と殺戮の舞台で生きる姿が凄まじかったことがとても印象的な作品でした。
しかしながら、プレイヤーとしてのゲームの勝利はここに生きる誰かを殺さなければならない。真の意味でのゲームからの脱出とは……。
北方の古城に集められた８人の人間たちがそれぞれ何を考えどのように生きてきて現在に至るのか。お互いに心を開いて言葉を交わすことで、デスゲームによる殺し合いを強制され疑心暗鬼に駆られる参加者たちの間で協力関係を結ぶ。その先に待ち受けるゲームの真相にたどり着き、これまでのデスループで見ることのできなかった８人の未来を目の当たりにしたときは感極まって思わず泣けてくるくらいに心を打たれました。
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