働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

本嫌いの俺が、図書室の魔女に恋をした

本嫌いの俺が、図書室の魔女に恋をした【電子版特典付】1 (PASH!文庫)

《あらすじ》
正反対の二人が「本」を通じて心の距離を縮めていく
高校デビューを果たし、自他共に認める陽キャとなった清水奏太。
友人との会話のネタになるのはほとんどがスマホから。
開けば面白くて刺激的で、ラクに楽しめるコンテンツが盛りだくさんだ。

逆にいえば、情報過多な昨今で、疲れるし時間もかかる、
エンタメ摂取のコスパが圧倒的に悪い読書を好む人たちの気持ちが、
奏太には一ミリも理解出来なかった。

高校一年の秋、彼女と出会うまでは──。

クラスでは他人に同調する生き方を続け、情報過多な世の中、一冊の本を短時間でわかりやすくまとめた動画だってある。読書は時間もかかるし疲れるしコスパが悪い。

誰とも喋らず、何を考えているのかわからない。図書室にこもって本を読んでいることから“図書室の魔女”と呼ばれるクラスメイトと書店での偶然の出会いをきっかけに、正反対の考え方をする主人公の清水奏太とヒロインの文月葵が“本”を通じて交流が生まれ、少しずつ心の距離を縮めていく清涼感のある青春ストーリーでとても良い作品でした。

アルバイト先が書店で本人も乱読家でもあるヒロインなので語り口が本から引用する部分もあり、物事を語る流れが詩的で相手の核心を突く言説が多いので、クラスメイトとうわべだけのやりとりを見せる主人公と対極にいるような雰囲気のあるキャラクターとして立ち回っているところが印象的でした。
表面的に見ればヒロインの印象は他人に流されず芯のある考え方をするキャラクターでしたけど、物語が進むにつれて『そんな彼女が何故、今の生き方に至ったのか』という部分を掘り下げる場面に移り変わり、主人公がヒロインから与えられた変化が今度はヒロインの窮地を救う糧になる。
二人の青春が偶然の出会いをきっかけに運命を大きく変えて、これまで見ることのなかった景色を見せてくれる。そんな青春模様がとても丁寧に描かれていて凄く良い作品でした。



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