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働きたくない村人のラノベ日記

ブログ開設2014年5月30日

雨音天袮のラノベ作家養成講座 おまえをラノベ作家にしてやろうか!

講談社ラノベ文庫 ラノベ オススメ

雨音天袮のラノベ作家養成講座   おまえをラノベ作家にしてやろうか! (講談社ラノベ文庫)

《あらすじ》
本が好きで、ライトノベルと出会って虜になって、自分もラノベ作家になりたいと思って―そうして僕は高校卒業後に専門学校の作家養成コースに入学した。けれど、講師として僕の前に現れた、現役女子高生ラノベ作家として名を馳せている雨音天祢は言い切る。「専門学校に来ている時点で、おまえらには作家になる才能がない」肩を落とす僕だが、天祢によれば、彼女についていけば作家になれる可能性は確実に上がるらしい。その言葉を信じて僕は授業に励むが、はたして僕は本当に作家になることができるのだろうか…?あざの耕平白鳥士郎三浦勇雄など人気ラノベ作家も特別出演!大丈夫か、このラノベ業界ラノベ!?

専門学校でライトノベルの講師もする現役作家による実際に行われている講義内容も数々登場。
ラノベしか読んでないやつはラノベ作家になんてなれないぞ」「書く前にまずは本を読め」
ライトノベル原作によるアニメ化・コミカライズ化展開。夢のある世界に踏み込んできた若者を現実に突き落とす切れ味の鋭いワードが作中の現役女子高生ラノベ作家の口から飛び出すわけだけど、現役講師が生み出したキャラクターなだけに語る内容の肉付けがかなり骨太になっていて、ほぼほぼノンフィクションに近いと思えるラノベ業界ものでした。

業界ものとしての側面を持つ一方で、ラノベ作家を目指すうえでの方法論から女子高生ラノベ作家が講義をする模様も一部展開されていて、ハウツー本としての側面を持っているようにも感じられました。実際にラノベ作家を夢見て入校した主人公を通して、才能がものをいう世界に身を投じるなかでの苦労や苦悩もストレートに描かれていて、明確な答えのないクリエイティブな世界ならではの壁にぶち当たったときの辛さが痛いほどに伝わってくる。

夢に向かって突き進む主人公や同じ目標を掲げて努力するキャラクターを掘り下げる一方で、その他の中途半端に講義を受けていくだけの生徒も物語に絡ませることで、講師視点からの生徒の授業態度に対する人物評も展開されていて、それがこの作品のなかにあるリアリティーをよりいっそう引き上げているところが面白かったです。

講師が女子高生ラノベ作家という点を除けばノンフィクションでまとめられるくらいリアルに忠実なラノベ業界ものだと思うので、ライトノベル好きにとってはたまらない作品ですね。

ワールド・イズ・コンティニュー

ファンタジア文庫 ラノベ

ワールド・イズ・コンティニュー (ファンタジア文庫)

《あらすじ》
異世界フルシエラ―その世界に召喚された者は『闘神の使徒』と呼ばれ、『クラス』を選び、『スキル』と『レベル』を伸ばしながら魔物と闘い、エリア開拓に挑んでいた。ゲーム好きの浩史はこの世界の謎に迫るためレベル100を目指す。しかし魔物の強さは異常でゲームバランスとしては最悪。そんななか浩史が選んだのは弱体魔法特化の錬金術師、そして“死んでも蘇る”を繰り返すスタイルだった!?強敵に怯まず苦境を何度も乗り越える姿に「コージの心は強い…わたしも強くなれる?」魔法戦士の少女・ハイシェンの折れかけた心にも希望が戻り―。ピーキースタイルが異世界攻略の道を拓く!!

前作の『スカイワールド』とは違い“何度でも死ぬことができる世界”を軸にした、異世界ファンタジー作品。世界の謎に迫るため、レベル100に到達することでカギを握る重要人物との接触が不可欠。
正道をいくレベリングでは途方もない歳月を要するところを、『クラス』と『スキル構成』のユニークな組み合わせと何度でも死ぬことができる世界の特性を活用したハイスピードレベリングが、上手い具合に“強敵との緊迫したバトル”のマッチしていて、密度の濃い展開が満載で面白かったです。
市場にあふれる異世界ファンタジー系の作品と比較してみても、ゲーム性のある世界のなかで『ワールド・イズ・コンティニュー』ならでは設定から生まれる物語や付加価値があって、純粋に『この作品の続きが読みたい!』と思う作品でした。

主人公とともに異世界召喚に巻き込まれたクラスメイトの女の子との間の、物語の本筋になる『異世界の謎に迫る』ことにつながる情報交換から年相応の和気あいあいとしたコミカルな展開まであって楽しかったです。
さすがはベテラン作家様。作者を購入動機の第一位にしても安心のクオリティー。2巻への風呂敷の広げ方も予想だにしない方向からのアプローチの仕掛け方。是非ともこのまま人気が爆発して、スムーズに2巻の刊行までこぎつけてほしい作品です。

カンピオーネ! XX

ダッシュエックス文庫 ラノベ

カンピオーネ! XIX 魔王内戦 (集英社スーパーダッシュ文庫)

《あらすじ》
かろうじて一度は『最後の王』ラーマを退けた護堂。だが、ラーマは“盟約の大法”により、カンピオーネが存在する数だけ強さを増し復活する。それを防ぐためにカンピオーネたちが考えた方法は、やはり相当にろくでもないことで……!? 「剣の王」サルバトーレ・ドニ。“黒王子(ブラックプリンス)”アレクサンドル・ガスコイン。ロサンゼルスの守護聖人ジョン・プルートー・スミス。武林の至尊、羅翠蓮(らすいれん)。最凶の老魔王サーシャ・デヤンスタール・ヴォバン。妖しき洞穴の女王アイーシャ夫人。そして日本のカンピオーネ草薙護堂。七人の魔王が東京に集う時、かつてない戦いが幕を開ける! 魔王VS魔王!! 最高に悪魔的で魅惑の魔王内戦が、今始まる!!

物語も最終章に突入して残りわずか。七人のカンピオーネが日本に集結して、最後の王と戦う権利をかけた頂上決戦の開幕。
「そこは全員で足並みをそろえて窮地に挑むべきだ」なんて常識的な判断の埒外にいるのがカンピオーネ。最後の王の能力がカンピオーネの数に比例するなら、『アイーシャ夫人の能力で一時帝に隔離』という奇策も当の夫人の能力が完全な制御下にない点と、カンピオーネの持つ王としての気質から全員が断固として拒否。ならばカンピオーネ全員によるバトルロワイヤルで頂点を決めようじゃないか!!

20巻近くに及ぶロングセラー作品。カンピオーネたちの有する権能の特性や個人の性格までインプットされているだけに、対戦カードの数だけ無限大に熱く激しいバトルが生まれ、全シリーズのなかでも最高の面白さでした。倫理的にカンピオーネ同士の戦いを俯瞰すると、カンピオーネの力の余波にさらされる日本の被害規模が災害の一言で括れるレベルを優に通り越してるけれど、こと“カンピオーネ”の世界だと些細なことで片づけられるから凄い。最後の王との戦いの前に日本が滅亡しそう……

かつて一度は矛を交えてきたカンピオーネが戦いの対象になっているだけに、シリーズを通して幾度となく行使された護堂への教授は、緻密な歴史的背景を経たものから形式的なものへとコンパクトにまとまっていているため、ヒロインが情欲に身を委ねる様をたくさん拝めることができてました。教授の回数を重ねるたびに微妙にシチュエーションの異なるプレイに発展していているのがちょっと面白い。

遊者戦記 #君とリアルを取り戻すRPG

ダッシュエックス文庫 ラノベ

遊者戦記 #君とリアルを取り戻すRPG (ダッシュエックス文庫)

《あらすじ》
人見知りだがそれを決して認めない“オンラインぼっち”ゲーマーのリオは、後輩・サクラに誘われ、あるゲームに参加する。それはSNSにばら撤かれた暗号を解き、現実世界に隠された“扉”に辿り着けた者だけがログインできる、世界初のVRRPGだった。ドラゴンやゴブリン、そして剣と魔法に彩られた“リアリティのありすぎる”大冒険に心躍らせるリオとサクラ。2人は溢れんばかりのゲーム愛とセンスで瞬く間にトッププレイヤーに登り詰めた。だが、夢中になって楽しむからこそ彼らは気づく。世界の真実に迫るとき、現実の未来はあまねく全てのゲーマーに託されることを。遊者が世界を変える!人類史上最大最高の実況プレイ開幕!!

ゲーマーたちがVRRPGをエンジョイするプレイスタイルはもちろんのこと、パーティーを組んでボスモンスターに挑むときの一体感と緊張感、モンスターのイレギュラーな攻撃や戦闘フィールドの特性を活かしたギミックにあふれる戦局展開もあって凄く面白かったです。ゲームのシステムによって裏打ちされたモンスターなだけに攻略の起点となる弱点は備わっているわけだけど、初見のボスモンスターを相手にするなかで得たわずかな情報から推測を立てていく戦局展開のさせ方は個人的にかなり好み。プレイヤー自身がゲームの世界に等身大の視点でもってプレイして、生きたモンスターを相手にしている雰囲気があるのが最高。こういう、実在のゲームでは到底不可能なイレギュラーな展開にあふれた戦闘が楽しめるのはVRゲーム作品のいいところだと思う。

物語終盤にかけての展開に触れるとなると全体のネタバレに直結するので序盤の部分にだけとどめておきたいと思います。
とりあえず、前作の『ウィッチハント・カーテンコール』を読んでおけばいいんじゃないですかね。デビュー作のあの作品を読んで『この作者さんが書いたものなら買って損はないな!』という流れで入った口なので、まずは『ウィッチハント・カーテンコール』から入ればおいいと思います。個人的には『ウィッチハント・カーテンコール』>『遊者戦記』の順でオススメなんで、『ウィッチハント・カーテンコール』をオススメします。(本作品について触れられることが少なそうなので露骨な宣伝をしてみました)

宝くじで40億当たったんだけど異世界に移住する 6

モンスター文庫 ラノベ

宝くじで40億当たったんだけど異世界に移住する : 6 (モンスター文庫)

《あらすじ》
「もう、絶対に足手まといにはなりません!」技師としての腕が評価され、自らの力でカズラの下へとやってきたバレッタ。予期せぬ再会に驚くカズラだったが、喜ぶのもつかの間、同盟国のクレイラッツと敵対国であるバルベールが接触している可能性があることを彼女に伝え、長く慎重に考えていた製鉄技術の導入を相談する。一方で、カズラはこちらもずっと気になっていた“異世界に続く部屋”の正体を問いただすべく、遂に父・真治に電話をするのだが――。「小説家になろう」発、異世界救世ファンタジー待望の第六弾。

日本と異世界を繋ぐ部屋を経由して異世界に運び込まれる技術と物資。イステール領の技術が発展するまでの土台になる、職人たちが日本の技術の一端を吸収して成長するに至るまでに対する細かい肉付けがされていて読み応えのある内容でした。もちろん、異世界に持ちこまれた『製鉄技術』『ガラスの製造方法』『耐火レンガ製小型木炭高炉』などの情報に対する結果だけを抽出していくのもテンポだけを考えればありだけれど、それらの技術がもたらすイステール領に対する影響や、周辺国の木材の使用量の増加や製鉄技術の発展による技術水準の向上がもたらす影響など、ひとつの内容からガンガン掘り下げていく展開のしかたというのは物語に深みが感じられて個人的にはすごく好みです。

バレッタとリーゼの初邂逅をはたした後の人間関係は、カズラをめぐる一触即発の空気に達することは微塵もなく、お互いの生来の人間性もあって仲の良い関係を築けていてホッとしました。カズラに向けたハッキリとした感情をぶつけるシーンはないものの、何気ないやり取りからときおり素の感情が漏れ出たときのリアクションがまた可愛かったです。

日本と異世界をつなぐ部屋の正体やそれをひた隠しにする父親の存在がいまだに明かされない部分が気になるところではあるけれど、とりあえずは新刊が早く読みたいです。ただそれだけです。

暗黒騎士を脱がさないで4 ♯岸田さん ♯てんてこの舞 ♯五番目のシャンデリア

ファンタジア文庫 ラノベ

暗黒騎士を脱がさないで4 ♯岸田さん ♯てんてこの舞 ♯五番目のシャンデリア (ファンタジア文庫)

《あらすじ》
「学園一の美女はダレだっ!ミスコン開催っ!」校内に貼り出されたミスコンの告知。恋する乙女暗黒騎士さんが、嫁入り志望の田中ノイエが、それぞれの想いを胸に出場を決意する。当然啓治も二人を応援、かと思いきや、ひょんなことから同級生・岸田さんのミスコン出場へ協力することに。超地味っ子の彼女だが、メガネを取って、髪をおろしたら…ん?何かイケそ「ひどいっ!私の体を好きにしようってことでしょ!」―男の言動全てを卑猥に捉える放送禁止少女を前に、問われる啓治Pの手腕。No.1暗黒美女戦争の兜が切って落とされる!お茶の間系ブラックナイツ・ラブコメ、チラリもあるでよ!!

自然な会話の流れで予想外の角度からハイレベルなボケが飛び込んでくるギャグラブコメ作品。キャラクター同士のコミカルな掛け合いからくる笑いとは異なり、適度に作り上げられたネタとコントがストレートに面白くていつも本気で笑わせられます。暗黒騎士の鎧を着たままミスコンってなんなのよ……。

学園が舞台になっているだけに時期に応じたイベントにも恵まれていて、女暗黒騎士さんや田中ノイエといった主要なキャラクターたちの行動の起点になるネタに事欠くことがないので、“学園美少女コンテスト”の顛末も予想の斜め上のいく顛末になっていて、いい意味で読み手の予想を裏切ってくれる。そう、日本昔話でも現代のミスコンでも、『お尻を出した子一等賞』なんだよ……。

イラストを担当されている“有葉”さんの描くキャラクターのイラストは、口絵のカラーイラストからモノクロに至るまでビックリするくらいにいつもクオリティーが高いところが印象的。キャラクターの全身を描いたものからSDキャラまで多彩で、ヒロインであるエリーや田中ノイエが可愛いのはもちろんのこと、見ていて楽しいと感じられるイラストでした。

僕の地味な人生がクズ兄貴のせいでエロコメディになっている。

ガガガ文庫 ラノベ

僕の地味な人生がクズ兄貴のせいでエロコメディになっている。 (ガガガ文庫)

《あらすじ》
私立聖実館高校で教鞭をとるヘタレ教師・村埜良二。彼は教育に対して人一倍の信念を持つものの、地味で根暗な性格のために生徒たちにナメられ、日陰な教師生活をおくっていた。ところがある日の朝、目を覚ますと良二のベッドに一糸纏わぬ教え子の姿があり大混乱。これはなにかの間違いだと思った矢先、女性経験皆無、奥手を地でいく彼がするはずもない出来事が起こり続け、良二は散々な目に遭う。彼は自身の二重人格を疑うが、その原因は生き別れのクズ兄貴のせいだった!?エロすぎ注意のクズコメディが今、始まる!

ライトノベルの性的描写はどこまで踏み込めるのか。クズで絶倫な兄を身に宿す呪いのおかげで、意識が入れ替われば美少女を口説いてセックス三昧。私立高校で教鞭をとる真面目な教師である“村埜良二”とは真逆の、アウトローの世界に生きてきて身に着いた独特の対人スキルが物語の展開に大きく寄与する場面も数多くあり、王道のレールをたどらない第三の道をたどるところが特に面白かった。
教師の目から逃げ回る不良少女の足を止めるために「お金上げるから僕とデートしてください!」なんて交渉を持ちかけるのは、聖職者としてはあるまじき行為なのはもちろんだけど、どんな綺麗ごとより否が応でも一発で意識を自分に向けさせるパワーワードを選ぶところがさすがです、クズ兄貴。

もうひとつ特筆すべき点として、『学校の生徒3人の処女を合意の上でのセックスで喪失』『生徒の母親とも出会ったその日にセックス』、直接的な性描写を避けてダイジェストで進行するだけにしてもかなり官能的な内容になっています。ヒロインの処女性については不可侵で絶対的なものだとは思っていたけれど、『俺は自分のセックスに絶対の自信をもっている。俺が抱いた女は必ず幸せになれる。いいセックスだったと満足する。心身ともにリフレッシュさせて、生きる力を与えるんだ。恋愛は駆け引きだが、セックスはヒーリングだ。』こんなことを豪語するクズ兄貴の手にかかると滞りなくヒロインの処女を散らせて快楽堕ちする姿が描かれているので、どうしようもなくエロかったです。