「お前、教師になれ」内乱から立ち直りつつあるリスリア王国で、ある1つのプロジェクトが始まった。『義務教育推進計画』と名付けられたこの計画は、貴族も平民も同じ学び舎で教育を行うという、それまでの常識を覆すものだった。地獄とも称された内乱を王国屈指の術式師として戦い抜いたヨシュアン・グラムは、勅命によってリーングラード学園の教師に任命されてしまう。しかも担当するクラスには大貴族の娘から不思議系エルフまで、個性的な5人の生徒が集まっていて―WEB小説大賞「大賞」受賞の異世界ファンタジー教師物語、授業スタート!
貴族も平民も関係なく勉強意欲のある生徒たちを採用した義務教育計画。王国屈指の実力をもつ最強の術色師が受け持った生徒たちの成長を描いた1冊。生徒たちの身分や生い立ちの違いから学力・術式の技術・性格などの違いがあるため、授業を行う中で様々な問題点があらわになってくる。生徒同士のいざこざから勉強の悩みを聞いたりと、あまりこれまでに読んだことのないタイプのラノベでした。
『異世界』『最強』『教師』の3つのジャンルがなっており、主人公のヨシュアン自身が最強の魔法使いであるため、魔法の発動のメカニズムに丁寧に解説してくれます。この作品はページにまんべんなく文字を書き連ねていて、流し読みしてスルーをしても先の展開がわからなくなることはないので几帳面に読み進めていくのも一つの楽しみ方だと思います(ただしメッチャ時間がかかります)
他にも、異世界で前例のない初の義務教育となっているので、現代の日本では考えられない、それこそ魔法の存在する世界ならではの厳しい体罰が平気で行われます。言うことを聞かない生徒に対しては最強の術式師・ヨシュアンによる絶妙にコントロールのされた非殺傷性の術式が放たれます。生徒も普通に失神します。問題児が容赦なく成敗されるシーンがたまにツボります。
あと、この作品を読んだほとんどの人が触れていることとして、『主人公のヨシュアンの1人称視点が丁寧口調』。はじめて読んだときは若干の違和感があったものの慣れればどうといったことはなかったですね。
最後に、なろう小説らしくないなろう小説『リーングラードの学び舎より』は400ページを越える大ボリュームで読むのにかなり疲れると思います。それでも個人的には是非ともオススメしたい1冊です。