働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

キラプリおじさんと幼女先輩

キラプリおじさんと幼女先輩 (電撃文庫)

《あらすじ》
女児向けアイドルアーケードゲーム「キラプリ」に情熱を注ぐ、高校生・黒崎翔吾。親子連れに白い目を向けられながらも、彼が努力の末に勝ち取った地元トップランカーの座は、突如現れた小学生・新島千鶴に奪われてしまう。「俺の庭を荒らしやがって」「なにか文句ある?」田舎のスーパーのゲームコーナーに設置された、一台の「キラプリ」筐体のプレイ権を賭けて対立する翔吾と千鶴。そんな二人に最大の試練が。今度のイベントは「おともだち」が鍵を握る…!?クリスマス限定アイテムを巡って巻き起こる俺と幼女先輩の激レアラブコメ!第23回電撃小説大賞“銀賞”受賞作!!

女子小学生を相手にして田舎のゲームコーナーで日々火花を散らすキラプリプレイヤー同士の熱いバトルが繰り広げられるラブコメ作品。
女子小学生×男子高校生という犯罪者予備軍認定スレスレのラインで筐体を目の前にしてプレイする権利を賭けあうだけに、蚊帳の外にいる周囲の人間からの目が妙に痛々しい。一方で、キラプリに関する情報に関しては細かく設定が練られていて、キラプリというゲームの概要から全国の猛者とのランキングバトル、期間限定のイベントを設けての限定アイテムなどその他多数、単なる女児向けアイドルアーケードゲームとしてとらえるだけにはとどまらない奥深いゲームなだけに、思わずのめり込んでしまうのもうなずける。

アイドルアーケードゲームの筐体として全国各地に点在するキラプリですが、この手のゲームにつきものとなる『田舎と都会の格差』や『レアリティの存在するカードの排出』『アーケードゲームをプレイする際のマナー』などの小ネタも物語に組み込まれていて、多少なりとも同様のケースに心当たりのある人にとってはグッと親近感のわいてくる内容も満載。
たかがキラプリされどキラプリ。他人から見たらバカバカしく思えるアイドルゲームに対して一心に情熱を注ぐプレイヤー同士の熱いやり取りとキラプリを絡めたラブコメ展開のバランスが良くて、両方ともほどよく楽しむことができました。

たまに女子小学生を相手にして通報されたら間違いなく逮捕されるレベルで親しげにしているシーンが多数あったけれど、それだけお互いの年齢差を意識していない真剣なやり取りだということで目をつぶっておくことにしましょうか。