働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件2

お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件2 (GA文庫)

《あらすじ》
もどかしく、焦れったい。でも着実に、一歩一歩
自堕落な一人暮らしの周と、“天使様"とあだ名される学校一の美少女・真昼。関わりのなかった二人だが、ふとしたきっかけから交流が始まり、食事をともにするようになっていった。
年越しを一緒に過ごし、初詣に赴き、バレンタインの煩わしさを受け流していく日々。不器用ながらも温かい周の態度、周の両親や友人との関わりのなかで、冷え切っていた真昼の心は少しずつ溶かされつつあった……。

周と真昼の日々をあえて表現するならば“両片思い”、“友達以上恋人未満”
友達以上の親密さを感じさせる異性であり、無言で同じ空間を過ごしていても気にならないような家族愛を感じさせるほどの関係性を築き上げているけれど恋人同士ではない。恋人というカテゴリーに押し込めると二人の間で交わされる日常の尊さが崩れてしまいそうな繊細な雰囲気や空気感が感じられる作品でした。そんな二人の仲睦まじく甘い日々が真昼のなかにある傷を癒しながらも、真昼のパーソナリティーに関わるトラウマにもしっかりと向き合う場面が描かれていて、二つのシーンの高低差がより強いインパクトをもって読み手の感情を刺激してくる展開が最高でした。
周の友人や両親も真昼との関係を後押ししてくれるように動いてくれていて、周と真昼だけでは絶対にやらないような初詣やバレンタインなどのイベントごとにも巻き込んで楽しそうにしている光景が味わい深かったです。

イラストレーターの交代で新たに“はねこと”さんが抜擢されましたけれど、個人的にはキャラクターのイラストの色合いや全体的な雰囲気も似ていて、交代という事実に何ら違和感を抱くことなく受け入れることができました。
キャラクターを愛でさせる部分では可愛いイラストが描かれていて、シリアスな場面では情景がしっかりと伝わるキャラクターの表情が描かれていて素晴らしかったです。
これから先もイラストを楽しみにしています。