働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

幼女先輩とゲームでおしごと

幼女先輩とゲームでおしごと (ファミ通文庫)

《あらすじ》
地方のゲーム大会で優勝し、晴れてプロ入りした飯野瞬。どうにかゲームで自立したいと考えていた瞬に舞い込んだおいしい仕事。それはコンビを組んでのリーグ戦への参戦だった。しかしコンビ相手はアマチュアでTVでよく見る天才子役・長内梨那! 本当に格闘ゲームできるのか? という瞬の心配をよそに「こう見えて勝負ごとは好きなんです。勝ちにいきます!」と意気込む梨那は、忙しい仕事のなか瞬の家をまめに訪ねてきて――。彼女の真の目的は何なのか? 人生をゲームに賭けた少年と幼女のお仕事コメディ、ラウンド1fight!

プロのゲーマーとして格闘ゲームの大会で活躍する高校生の主人公と天才子役として有名な女の子がとあるイベントでコンビを組むことになるところから物語がスタートしますが、一見してポップな世界観と華やかな舞台で活躍するように思える内容でしたけれど、『プロゲーマー』『天才子役』の世界で常に自分を磨き続けるストイックな姿勢がこれでもかと描かれていて驚かされました。

長内梨那の抱く『天才子役』という肩書の賞味期限について。幼い役を演じられるのは幼いうちだけであり、『子役』から外れれば1人の女優として扱われることになる。優れた容姿や演技力は芸能界で活躍するうえで武器にもなるけれど、その他大勢の役者に埋もれるかどうかは先行きが不透明。そんな矢先にやってきたのが、今回のイベントを通じてのゲーム対決。
役者かつゲーマーというセールスポイントにまだ幼いながらも将来性を見出す熱いと行動力。そこに、これまで役者として身に着けた集中力と観察眼が格闘ゲームにおける『読み』にもつながり、初心者ながらも抜群のセンスとテクニックで熱い戦いを繰り広げる。
主人公である飯野瞬と天才子役である長内梨那が格闘ゲームを通じて人として成長していく姿と実践で繰り広げられる白熱の展開、そして二人が人生を賭けて仕事に挑む心意気が魅力的な作品でした。

幼女先輩とゲームでおしごと (ファミ通文庫)

幼女先輩とゲームでおしごと (ファミ通文庫)