《あらすじ》
もっと褒めても構いませんことよ？ 師匠（せんせい）！王位継承争いの本格化を受け、エルメスはユルゲンが擁立する第三王女リリアーナの家庭教師を命じられる。
早速リリアーナの元に赴くが、実は彼女はエルメスの師匠・ローズの血族で!?
ローズに似て破天荒なリリアーナはエルメスの教えを拒絶。
家庭教師になる条件として“鬼ごっこ”を持ちかける。
一瞬で片が付くかと思いきや、リリアーナはエルメスを驚愕させる才能の持ち主で――!?
リリアーナを導くと決めたエルメスは“鬼ごっこ”をクリアし、陰謀渦巻く王位継承争いに身を投じていく。
そんな折、王国北部で反乱が発生。
国王の名代として鎮圧へ向かうことになるが、敵は魔法学園のクラスメイト・ニィナの一族で……!?
王位継承争いの本格化により各陣営の派閥争いがさらに激しくなり、エルメスたちと敵対する勢力の存在が一筋縄ではいかない様相を呈する。
血統魔法に縛られることのない、創成魔法を駆使することで他の追随を許さない圧倒的な強さを見せてきたエルメスの力ではあったけれど、成長の余地を残すなか強敵との戦いの経て得た経験の末にたどり着く境地や新たな人との出会いにより受けた刺激が主人公のさらなる成長を促す。王道のバトル×魔法×学園ものを取り合わせたストーリーでしたけれど、主人公サイド 対 敵サイド の明確な構図のもとで展開される物語のなかでベースとなる“おもしろさ”のレベルが高いので、1冊の全体を通してまんべんなくおもしろかったです。
これこそが、「夢中になって没頭して読める」作品を体験できるものなのだとあらためて感じました。
また年若く、血統魔法を有するキャラクターたちが王位継承争いという大きなうねりに流されて戦いを繰り広げる姿やその先に待ち受けるドラマもきっちりと描かれていているところがすごく良かったです。
メッチャおもしろかったので早く続きが読みたいですね。
