《あらすじ》
芹香たちと文化祭ライブを無事成功させた後、遂に陽花里と恋人関係になった夏希。しかし一周目も含め交際経験ゼロの彼は初めてのお付き合いに右往左往していた。どうすれば陽花里を喜ばせられるか悩む夏希。だが、今まで相談に乗ってくれていた美織を頼ることは出来ず、そのことにも一抹の寂しさを感じてしまう。
そんな中、夏希は球技大会の実行委員を成り行きでやることになるが、同じ実行委員には複雑な面持ちの美織の姿もあって……。
恋は成就してからが本番!? 強くて青春ニューゲーム新章開幕！
人生ではじめての恋人。陽花里と恋人としての距離感に戸惑いながらも学校や自宅での二人の空気感が恋人のそれに移り変わって、ふとした瞬間に求めあう雰囲気になる姿が正に『高校生男女の恋愛像』でした。
一周目の灰色の青春をやり直しで二周目の高校生活で望んだ幸せを掴み取った主人公の本番がいよいよスタートした感じでした。
一方でそんな主人公の成長と変化を最も近くで見続けてきた幼馴染みの美織ですが、主人公に恋人ができたことを境にさらに胸中に抱えていた想いが膨れ上がっているのか、ちょっとしたことをきっかけに誤魔化しきれない想いが言動に現れてきて、恋人との幸せな日々を満喫する主人公との対比で不穏気な様子を見せる美織の存在がとても印象に残る１冊でした。
青春ラブコメメタで考えれば、「幼馴染みヒロインが主人公に抱く感情は～」とも言えそうですけど、自らあえて彼氏を作ってまで抑え込んだ想いの根底に何があるのか。それを紐解かない限りは美織の身に起きた一連の騒動の収拾をつけられないと思うので、はたして彼女が何を思って行動に移したのか気になりますね。ラストの引きから次はどんな物語が展開されるのか楽しみです。
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