悠太を想う真由と彩華の存在。
三人が歩んできた中学時代、高校時代の出会いががひとつの物語へと集束していき、それぞれが歩んできた人生が現在の彼ら彼女らの抱く恋心へと結びついてひとつの結末へと導かれていく。
とても迂遠な青春ラブコメではありましたけれど、８巻という長編ストーリーのなかで登場人物たちが何を想い、何を考えて今の関係に至るかの全てがとても丁寧に描かれていて全てのヒロインが愛される存在へと創り上げられているので、『自分の推しが一番報われてほしい』くらいに甲乙つけるのが難しいくらいに魅力的なキャラクターに溢れている作品でした。
誰が主人公と結ばれることになっても納得がいく、ほんの些細なかけ違いでヒロインたちとの物語の結末が変わっていたかもしれない。
これまでのようなあやふやな関係に区切りをつけるため、大学の文化祭で披露されるミスコンをタイムリミットを設けて三人の関係性に答えを出す。ラストスパートに向けて登場人物たちが起こしたアクションの数々や、全ての集大成が告白に対する返事に詰まっていて最高のエンディングを目にすることができて感慨深い１冊でした。
ありふれた言葉ではあるけれど、「最高の青春ラブコメ作品でした！」の一言に尽きると思います。
自分の推しは礼奈さんでしたけど、本当に良いキャラクターでした。最後のヒロインレースには登場しなかったですけど推しのキャラからは動かない良いムーブをしていて満足です。
作者の次回作はアフターストーリー、ifストーリーなども楽しみにしています。
