働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

不戦無敵の影殺師 5

不戦無敵の影殺師 5 (ガガガ文庫)
「異能力制限法」により異能力者はすべて社会から管理され、戦う機会が奪われた現代。事件性をはらんでいた無能力者との戦いも終わり、普段の生活に戻れると思った朱雀たち。しかし、小手毬が突然意識を失い倒れてしまう。予期せぬ状況に困惑する朱雀。これまで『最強』を目指して強くなってきた、だがどれだけ強くなろうとも、彼は小手毬を助ける術を持ち合わせてはいなかった―。戦いの末に煌霊でも人間でもない状態に陥った小手毬。彼女を救う手段は存在するのか。予想外の展開をみせる異能力リアルアクション第5弾!





小手毬のいない日常風景の寂しさ。二人暮らしだったアパートに帰宅をしても帰りをまってくれる小手毬存在はもういない。異能業界最強の座に君臨していたころと違い、パートナーの小手毬が欠けたことで戦力が半減。煌霊のいない煌霊使いとなった冬川朱雀の進む道がどういったものになるのかが重要なところ。人間でも煌霊でもない存在になった小手毬にあきらめを付けて新たな煌霊を探すのか、藁にもすがる思いで小手毬救出の糸口に向けて突き進んでいくのか。異能業界での身の振り方について葛藤しつつもこれまで培ってきた人間関係から様々な意見を突き付けられつつ、最後の最後まで小手毬に残ったわずかな可能性を切り開いていくときの想いの強さ。朱雀の執念がラストで予想外の奇跡を起こしてくれたことで、全てが無事に解決されて本当に良かったです。
できることならこのシリーズにはいつまでも続いていってもらいたいものですね。異能バトルものとして少し毛色の違ったラノベで、どこまでもリアリティーを追及してく内容であり、たとえ主人公であっても弱ければ負けるというのがあって「これが現実か……」と思い知らされる場面が多いです。異能が日常に馴染んでいて異能力者が芸能界で活躍できる世界というのが新鮮であり、異能力者の存在を妬む無能力者の集団であったり、芸能界で日の目を見ることの無い裏の異能力者の存在など、色々な方向から楽しませてもらってます。
次回はいったいどういう方向で話が進んでいくのか楽しみです。