働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

神童勇者とメイドおねえさん

神童勇者とメイドおねえさん (MF文庫J)

《あらすじ》
かつて神童と謳われた勇者シオンは、魔王を倒し世界を救うが『魔王の呪い』により王都を放逐され、辺境での隠遁生活を強いられる。世界を救い、けれど世界に忌み嫌われた少年はある頃から四人のメイドのおねえさんと一緒に住むように。戦えば無敵のシオンだが年上のメイド達にはからかわれ続ける日々を送る。「どうして僕のベッドで寝ているんだ!?」「どうしてと言われましても、私が添い寝当番でしたので」「もうっ、シー様かわいいっ!」「…お前ら、僕で遊ぶのもいい加減にしろ」強すぎるがゆえに迫害された神童勇者と、少し変わったメイド達。辺境で穏やかに暮らす最強の少年とおねえさん達のラブラブ同居生活!

世界を救い神童と呼ばれた小さな勇者が辺境で隠遁生活を強いられるなかで、4人のメイドたちとラブラブでエロエロな同居生活を送るに至ったのか……。
名声も得られずに悲しく暮らす少年の辛い現実とエロコメ展開のさじ加減が作品の雰囲気を程よく和らげていて、固くならずに(下ネタのほうではありません)読み進めることができました。

少年が王都から放逐されるきっかけとなった『魔王の呪い』。平凡な人間は近づくだけで生命力を吸われ、最悪の場合は命の危機に瀕するほどの呪い。魔王を倒したあとに訪れたのは、王都で忌み嫌われた存在として扱われ、呪われた本人や有識者たちの努力ではどうにも抑えきれない呪いのため物理的な距離を置くために辺境へと追いやられる。
勇者の少年が辿った運命の壮絶さと、手に負えない力を忌避した人類が抱く感情や思考回路が克明に描かれていて、読んだ人を引き付ける魅力がありました。
そんな勇者の少年の目の前に突如現れたメイドの4人たちの正体とは……。彼女たちには彼女たちなりの生きてきた時間があり、勇者のもとを訪れて決断をゆだねるだけの苦悩があったんだなと……。

発売前の宣伝ではイラストのエロエロさが先走り(下ネタのほうではありません)し過ぎていましたが、それだけではない魅力的な展開が満載の物語でとても面白かったです。ぶっちゃけ作者&イラストレーター買いだったのですが、続巻が出るのであれば是非とも期待したいです。