働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

カノジョの妹とキスをした。2

カノジョの妹とキスをした。2 (GA文庫)

《あらすじ》
初めての恋人・晴香と付き合って一ヵ月。親が再婚し恋人とそっくりな義妹が出来た。名前は時雨。晴香の生き別れの妹だ。
俺はそんな義妹とキスをした。 重ねられた時雨の唇の感触が忘れられない。晴香とキスはそれに塗り潰されて思い出せないのに。時雨を異性として意識する時間が増える。
でもそんなのは晴香に対する裏切りだ。俺は晴香との仲をもっと深め、時雨と距離を置こうとする。
だが俺がそう決意した日、時雨が高熱を出して倒れてしまい……?
彼女の双子の妹からの告白。高2の夏休み。お泊りデート。動き始める"不"純愛ラブコメ、『堕落』の第二巻!

『カノジョの妹とキスをした』
恋人と真剣に交際をしておきながら、再婚した親の連れである義理の妹と同居をして、それが運悪く彼女の生き別れの妹だった。
シリーズ第1巻は彼女の妹とキスを本当にガチでした事実の衝撃とラブコメ作品としての方向性が予測不能すぎたことへの衝撃がとても印象的でしたけれど、シリーズ第2巻はそれに輪をかけて物語の方向性が予想のはるか彼方に進んでいってとにかくヤバいという感情しか出てこなかったです。
ラブコメ作品って主人公×ヒロインの構図があって、たとえば学校行事を好きな人と楽しくしたり、ときにはエッチなイベントが起きたりしながらドンドン距離が縮んでいって、そんな日常を噛み締めながら楽しむ作品だと思っていたんですけど。
この作品で彼女として登場する晴香に関しては『性欲を伴わない愛こそが真実の愛』『高校生でエッチなんてありえない』『コンドームは遊びのときにするもの』。価値観が異次元すぎて、主人公のなかにある自然に芽生えてくる欲求が全てどこにもぶつけられなくてえぐ過ぎる。

ごく普通の男子高校生主人公が、彼女だけど何もさせてくれない晴香と彼女ではないけどどんな行為も受け入れてくれる時雨という対照的な人間が目の前にいる環境で揺れ動く心境と葛藤がすごく情熱的に書かれているところも魅力のひとつでした。
それに加え、真剣に付き合っている恋人である晴香を裏切りたくない一方で好きな人と触れ合えず、好きである感情がドンドン強くなるのに彼女の考えていることが理解できない。そこに苦んでいる先に、彼女と瓜二つの妹が目の前にいて優しく慰めてくれる甘美な誘い。
10代の高校生が辿るには地獄モード過ぎるラブコメ模様がとにかく一度読み始めたら目が離せなくなるくらい面白かったです。


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