《あらすじ》
ケンゴー陛下と結婚パーティーに同行するのは、どの魔将だ!?
人畜無害なヘタレチキン高校生、うっかり魔界の名君に!?
誤算続きで予期せぬ名声を得まくって、魔族全軍から心酔される最強魔王爆誕!
大人気シリーズ第3弾は、【嫉妬】のレヴィ山の真なる力が明らかに……?
魔王の自覚に目覚め始め、魔将たちとの絆がさらに深まってきたケンゴー。
占領した王都の再建を待つ間、しばしの休息を兼ねてレヴィ山の妹の祝賀パーティーに赴くことに。
「で、誰を同伴者に選ぶんです? 」
女性同伴がマナーとされる中、ルシ子、マモ代、アス美、さらにはベル乃までもがケンゴーの『正妻』役を名乗り出て一触即発の事態に!
一方ケンゴーを迎えるアザゼル男爵領では魔界の四大実力者に数えられる大物アザールが魔王に認められたいあまり、極上の接待を用意して
ヘタレな男子高校生の魔王様ロールプレイ。
命惜しさに防御魔法を極め、歴代の魔王とはどこか違う振る舞いと活躍ぶりで世界征服の野望を成し遂げようとする。
魔王に転生し魔将たちを率いて戦う“異世界ファンタジー”、ヘタレな主人公が魔王に転生したがためにルシ子を筆頭に歩み寄ってくる女性たちとの間で繰り広げるラブコメ、二つのジャンルが同じ作品を舞台に描かれていてどちらも綺麗におさまっていているところが凄いと感じます。
それでいて、ファンタジーっぽいラブコメ展開を時々盛り込みつつ、物語の中心には『魔王として世界征服を成し遂げる』軸が描かれていて、時には自らに反意を抱く魔族と争ったり、時には異種族である人類を相手に矛を交えたりもします。
ちょうどいい塩梅で物語を進めつつ、魔王の真髄を魅せつける戦闘シーンや癖のある魔将たちを引き付ける主人公の魅力が当人のあずかり知らぬところで誇張されていき、なかなかにカオスな部下に囲まれているところもまた面白さの秘訣だと思います。
常に安定した面白さのある作品といった感じでした。