働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

日本語が話せないロシア人美少女転入生が頼れるのは、多言語マスターの俺1人

日本語が話せないロシア人美少女転入生が頼れるのは、多言語マスターの俺1人 【電子特典付き】 (講談社ラノベ文庫)

《あらすじ》
高校二年生の鏡伊織は、特に目立つ事のない男子生徒。
学年のアイドルと名高い双子の姉の詩織とは折り合いが悪いため、一部の生徒からは嫌われている。
通訳のアルバイトをしている伊織だが、複数の言語を話せる事は、伊織の“自覚する”数少ない特技だ。
そんなある日、アパートの隣に住む女性軍人が、急にロシアから里子――クリスティーナを引き取ってきた。
日本語が話せない彼女にとって、周りで頼れるのは伊織だけ。
そしてクリスティーナと関わる中で伊織のハイスペックぶりが明らかになり、周りを見返していき……!?

日本語が話せないロシア人美少女転入生・クリスティーナと通訳のアルバイトをして複数の言語を話せる伊織の青春ラノベとしての側面もありますが、複雑な家庭環境にある伊織とその双子の姉の詩織との間にある軋轢と水面下で画策している復讐の全貌が描かれた二つの側面がある作品に感じました。
「ロシア人ヒロインとのラブコメ展開か……、えっ、ちょっと表紙の雰囲気と全然違うんだけど……」
後半にかけての詩織が漂わせている不穏な雰囲気と伊織の衝突が、一気に作品のイメージを上から塗りつぶす勢いと人間の恨み辛みが詰まったどす黒い感情がひしめき合う怒涛の展開でした。
一言で要約すれば“表紙詐欺(良い意味で)”
ロシア人ヒロイン×多言語マスター主人公のメリットが「ロシア人ヒロインと会話できるのは俺だけ(ドヤッ)」
そこをクラスメイト男子から嫉妬を向けられるのが王道ネタだけど、伊織の学校での嫌われぶりが拍車をかけてガチの嫌悪感を向けられて王道ネタをことごとく外していく学校内での光景が逆に新鮮でとても楽しめる作品でした。
まだ主人公の復讐劇が始まったばかり。シリーズ化して物語が進むにつれて深味が増してくることが間違いない作品だと思うので是非とも続きが出てほしいです。

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