《あらすじ》
クラスの高嶺の花・佐々川綾乃。そんな彼女を偶然ナンパから助けたら――
「ありがとう、藤村」
って、日陰者な僕の名前をまさかの認知！ その上、妙に懐かれるようになり……!?
以来、休日には家に連れ込まれ、子どものように「褒めて？」と迫ってきたり、お泊りしたり。
陰キャぼっち生活を謳歌していたはずなのに、気付けば彼女の存在が日常になっていて……。
「今日も家来るでしょ？」
「ぼっち？ じゃあ私がひとり占めできるね！」
「……キミのこと、特別だと思っちゃダメなの？」
遠い世界の人だと思っていた彼女が、今となってはゼロ距離に。
大胆すぎる彼女に翻弄される、青春カーストラブコメ！
高校1年生。地味で目立たない陰キャボッチな主人公・藤村京介。
高校1年生。高嶺の花でカーストトップの陽キャ。モデルもしている佐々川綾乃。
これまで関わりのなかった二人が偶然の出来事を通じて交流が始まり、趣味も性格も違うはずの二人が佐々川からの陽キャらしいグイグイ来る距離でつめられ何故か妙に懐かれてしまい、少しずつ打ち解け合っていく陰キャ男子高校生主人公×陽キャヒロインの日常を切り取ったストレートな青春ラブコメといった感じの作品でした。
交友関係の薄い人生を送ってきた主人公の懐にグイグイもぐりこんでくる佐々川。連絡先を交換して、一緒に出かけて、休日は家に連れ込まれたりなどなど……。これまでソロ充だった主人公の日常がいつしか、佐々川と一緒に過ごす時間があたりまえとなり、お互いがかけがえのない存在へとなっていく。
そんな二人が充実した青春を過ごす日々を描きつつ、ときには二人の周囲の人間関係へと視点を広げて物語を展開させていく。程よくしぼられた登場キャラクター、学校というある種の閉鎖的コミュニティーとそんな空間が生み出すクラス内ヒエラルキーがもたらす問題。
なかなかに手堅く、それでいて面白い青春ラブコメ作品でした。
